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ニッケル水素電池大全

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★究極の新型5本直列タイプU

ここに至る過程で、以下の歴史とアイデアが生まれました。
現在、私のメインは新型5本直
列タイプUです。
タイプUはスタビライザと合体したもので
電源コードが最小の長さになっています。

朗報
ここで制作された外部電源は
リチュムイオン電池を使用する
DiMAGEA1/A2シリーズで
全く問題なく、使用可能です。下写真参照

最新機種
 DiMAGE A1/Z1の外部電源

5_A1DENGENSS.JPG

注)A1の電池蓋を開け、リチュウムイオン電池を出した状態で起動している写真です。

A1のためにリチュムイオン電池は2個持っていますが
使い切ることがあり、そのような場合に非常に助かります。
ニッケル水素電池は7シリーズとZシリーズ用にたくさん持っていますので
これで、電源の心配は完全に解消しました。

5_Z1DENGEN.JPG

実際の使用状態はカメラの底部の3脚用ねじに固定して
なぽちゃんスタビとしても機能するタイプです。

本編

TYPE2_ALL.JPG - 127,296BYTES

5本直列電源
ディマージュ7が4Vで動くことを発見しました。
歴史的作品。ネジで締め付ける新型もこの中に収録
 
並列ペア電源
4本換算で366枚撮れた優れものです。
内部抵抗が並列使用で1/2となり、利用効率が2倍増です。
6本直列電源
キャノンPowerShotPro90ISのためのニッケル水素電源。
ダイオード・ペア電源
直列電源の宿命、ダメ電池による全体責任を回避する妙手
並列放電器
放電器です。電池のリフレッシュと共に電圧統制ができます。
リチュウム・イオン電池
ディマージュ7をリチュウム・イオン電池で使うテクニックです。

また、5本直列の正当性やメモリー効果などの根拠については
次の最新情報が勉強になります。
ぜひお読み下さい!

http://www.sanyo.co.jp/energy/faq2.htm
(この情報を下さったFlowerEmperor様に感謝いたします。)



しかし、次の説明だけ読んでもわかります。

なぜ5本直列電源が優れているか、わかりやすく説明します。
下のグラフを見てください。
DiMAGE7の終了電圧が1.2V(1本当たり)であるとしましょう。
フル充電終了直後は1.42Vぐらいですが、保存中に1.37Vぐらいまで下がります。
これは自然放電ではありません。
水素吸蔵金属のすみずみに行き渡るプロセスのためです。
使うにつれて始め1.27Vぐらいまでは急速に、そこからゆっくり下がっていきます。
そして、1.2Vを切ると電池切れサインです。
通常の4本内蔵使用では55%ぐらいで終了してしまいます。
これを5本直列にしたときの換算電圧は1.2の5/4倍ですから、
1.2×1.25≒1.5Vとなります。
実際は電池を構成するプラグの接触抵抗や電極間の抵抗で、もう少し低いとしても、
青い曲線ように、CUTOFFが1.2Vなら全然クリアしております。
95%ぐらい放出して、やっと終了することが容易に理解されるでしょう。

注)電池の電圧は使用電流の値で変わります。この議論は無負荷状態で計測したものとします。
動作時には複数のデバイスからの要求電流のためにパルス状に電圧が変動していて、
最大電流時の電圧降下による電源電圧が、設定値を下回ると終了です。だから、
最大電流時はこの値の約2割ぐらい小さな電圧です。DiMAGE7は4Vで実動します。
5本直列電源参照


GRAPH.JPG - 29,365BYTES

5本直列電源が95%で360枚撮っているときは、55%の使用効率では
これの55/95倍の208枚撮れるはずですが。
現実にはもっと少ないのでしょう?
もし、気温が低くて化学変化が不活発になることにより、電池の内部抵抗が増えたとすると
電圧降下により、赤い曲線のようになります。すると、上のグラフの例では20%で終了します。
このときは76枚撮れて終了です。これが、電池が持たない現象の説明です。
この電圧降下の影響は上のグラフで明白なように、甚大です。
電圧降下は、気温低下、コードの長さからくる抵抗、電池の接触抵抗、電源回路の抵抗と、
どれをとっても重大な結果をもたらします。
新型5本直列電源は、これらの問題を一挙に解決します。

やったー!画期的!


電池の内部抵抗の意味が分からない人が要るかもしれません。
説明しましょう。水道の水の出を思い浮かべてください。
需要が供給を上回ると、水圧が下がり、水の出が悪くなります。
電池は化学変化で電気を作っておりますから、
温度が下がるほどイオンの移動度が小さくなり、生産が追っつかなくなります。
それで、電圧は下がります。これを抵抗による電圧降下と見なした場合の抵抗値を
電池の内部抵抗と呼んでおります。

なお、新型5本直列電源で使い切った電池は1、2本が1.02Vぐらいで
後は1.14Vや1.18Vぐらいを示します。
この理由はなくなった電池の内部抵抗による電圧降下が
残りの電池の足を引っ張るからで
残っていながら終了せざるを得ないからです。
これらの電圧は終了直後の値で
どの電池も、外した後に奥の方に吸蔵されていた水素が出てくるため
電圧は0.1Vぐらいアップします。つまり、休ませると少し復活します。
だから、電池の無負荷電圧は1.14Vとか1.21Vなどになっているのです。
家に帰ってきてから測っても1.02Vを見ることはできません。

プロローグ風結論

2002年の11月17日、薄曇りの日曜。
気温が低いためか、カメラに入れた電池がすぐ切れることに業を煮やした私は
ついに自ら課した掟をやぶり、はじめから新型5本直列電源タイプUに新しい電池5本をセットした

デジタルテスターでカメラが起動している状態で電圧を測ると、
6.59V、起動しないときは6.72Vだから、さほど過剰電圧でもないし、異常もない。
耳を澄ましてもDiMAGE7iが「チー」といわないことに気をよくして、そのまま撮影に出発した。
まだ、3分ぐらいしか紅葉していない鎌倉・円覚寺であったが、撮影は快調に進み、
切れたところでモードをPLAYにすると、なんと!358枚いっているではないか。
500万画素エコノミーが最近の私の常用モードであるが、358枚はびっくり。
もう、何もいらない状態にきてしまった…。

E_ENGAKUJI.JPG - 50,755BYTES

ところで、撮影枚数のレポートは注意を要する。
連続撮影かほぼそれに近い今日のような好条件では、待機時間の無駄がなく
消費電力も押さえられて、撮影枚数が伸びるし、
その逆に、連続的には被写体のないさびしい場所を探しながらポチポチ撮るようなときは、のびない。
鎌倉という場所は前者である。
それと、電池の銘柄と充電状況による。
フル充電したかどうかは定かでない。

それにしても、撮れました!
その後、引き続き同じ調子で新しい電池5本(SANYO1700)で撮ったが、
まだ終了しないうちに日が暮れてきたので撮影は198枚撮って中止、帰途についた。
ニッケル水素電池2セットプラス2本使い切らずに556枚を越えることができた。
まだ、まだ撮れるはずだから、夏にペア電源で出した記録を大幅に更新すること間違いなし。
それも、条件の悪い冬に出したことに意義がある。
切れたときに電池の電圧をチェックしたが2本が1.04Vと1.05V、後は1.14V以下で、
ほとんど使い果たし状態でした。
はじめて、理論通りの結果が出たことになる。
新型の優越性とコードを短くする作戦は大成功!
使用機材の詳細は此のページの後半から始まる。
(第2部参照)


急遽:特別企画

5本直列電源とペア並列電源の
お友達の輪

「京都のTak」様から、並列ペア電源
の初制作成功に続いて
5本直列電源とペア電源の、ベルトタイプの制作報告です。
上に述べた、コードの抵抗を考慮して太い線を用いた実用タイプですので
みんなで、興味深く見てみましょう。

5_ESACASEALL.JPG - 119,431BYTES

【ご本人の説明】
5本直列や並列電源をケースに組み込んで、ベルトに差し込んで使うものを作りました。
片開きのふたの付いたポリエチレンの食品ケースに、
秋月で買った金属製の電池ホルダーをビスで止めたものです。
今まではこれをポケットに入れていたのですが、
ポケットからコードが出ているのはあまり格好いいものではなく、
何とかベルトに差し込むことができないかと、フックを探したところ、
DIYショップでペットの散歩の時に使うえさ入れを見つけました。
えさ入れにそのまま電池ホルダーを組み込むことも考えたのですが、
縦長に組み込むのは無理とわかり、仕方なくフックを切り取り、ポリケースにネジ止めしました。
その際に、普通のナベネジを使うとフックの表面に頭が出っ張ってベルトに傷が付くので、
皿ネジを使いビス孔のザグリをしました。
フックがポリエチレンですので、耐久性がどこまであるか分かりませんが、
使い勝手は大変よくて気に入っています。
なお、小さい方の6本目のホルダーは当然のことながら両極を直結してあります。


またまた、引き続いて
「京都のTak」様より
コニカミノルタ DiMAGEZ3 用の5本直列電源セットの作例をお知らせ頂きました。
Z3D52.JPG - 41,002BYTES

私の
「スタビライザー2004年式」は、
7iでEVFを使う時に特にすばらしい安定感をもたらしてくれますが、
Z3につけるとカメラの形が異なるために、
EVFを見るのに無理な姿勢をしなければなりません。
Z3に手ぶれ補正機構が付いているとはいえ、
カメラを安定に持つに越したことはないはずです。
実はケンコーの1.7倍テレコンバーターも手に入れて、いろいろと試していますが、
700mmを超える望遠ではファインダーの中の像はかなり揺れています。
EVFの見にくさを解決するために、
スタビライザーの体にあてる部分とカメラとを垂直方向にずらせることを思いつきました。
材料は何でもいいと思いますが、
私は厚さ2mmのステンレス製のL型金具2個(型番は24A105−3となっています)で、
幅が2.4cm、長辺は10cm、短辺は5cmのものを組み合わせ、
それに同じ幅の小さなL型金具(24A65−2、辺の長さは6cmと5cm)をつけ、
カメラへの取り付け部分にコルクの板を張り付けました。
コルク板は厚さ2mmのA4判より少し大きなものを買ってしまいましたが、
コースターとして売っているものを切り取ってもいいことに後で気が付きました。
垂直方向の長さは約11cmあります。700円もあればできると思います。 
なお、カメラへの取り付けネジが変なものになっているのは、
手元にあった1/4インチのネジを使ったためです。
いずれはちゃんとしたものを使います。

Z3_D51.JPG - 41,739BYTES

垂直方向の板は、左手でつかむのにも都合がよく、また5本直列電源をつけるのにも、
とても具合がいいものです。(電源は下の水平方向の辺につける方が安定するかも知れませんね。)
なお、電池を固定しているものは、
クラレ製の「コードホルダーH/L」という両面マジックテープで、なかなか使い勝手のよいものです。

第一部

外部電源コードの抵抗

その問題点

外部電源を作るとき、必ず電源コードが1mぐらいつきます。
これが、AC電源であれば電圧降下分を見込んで電圧を変えれば済むので問題ありません。
しかし、ニッケル水素で外部電源を組む場合、コードの抵抗値は最重要項目となってきます。


なぜならば、電池を出た後で往復するコードの抵抗値は0.6Ωにもなるからです。
つまり、1A流れると0.6Vの電圧降下です。
カメラを含めた閉回路で各パーツの電気抵抗を見積もってみましょう。

1.DiMAGE7  このカメラは最大電流が5.2Vで1Aを少し越える程度ですから等価抵抗値 5Ω くらいと思います
2.ニッケル水素電池の内部抵抗 1本あたり0.056Ω。したがって、4本で0.224Ω、5本で0.28Ωです。
3.コードの抵抗(6Vプラグ付きのコードの場合)、0.6Ω
4.外部電源端子の接触抵抗や
電池間の接触抵抗、いちばん不確定で0.02〜0.4Ωと見積もる。

かくのごとく、コードの抵抗は馬鹿にできないのだ。
電力はP=VI=IRですから、全体の消費電力のうちのカメラの正味電力の比が
効率ということになります。
効率はしたがって、抵抗の比です。最悪で5/6.28≒0.796 (約80%)ということになります。
ニッケル水素の内部抵抗はいかんともしがたいのですが、それ以外の3,4はゼロが望ましい。
ゼロだと、95パーセントの効率となりますので、
いかにニッケル水素がすばらしい電池であるかということです。
            
【 分 析 】

 これは5本直列であれば、電池1本分が0.12Vのハンディを背負うことになり、
終了時に0.12Vぶん残してしまいます。
これは重大問題です。
つまり、理論値より大きめの1.12Vで終了してしまいます。
実際、終了時の電池電圧は1.14V位でした。
正直言って「ありゃあ、何故なんだ」と思っていたのです。
電源コードの抵抗値をなめておりました。

これでは、

5本直列電源のうたい文句「電池のしぼり取り」が聞いて

あきれ・笑います
NYAN.JPG - 39,162BYTES

大反省だにゃん!

というわけで電源コードに関して大改革を迫られました。
って、大した解決策はありません。短くするだけです。
カメラの直近に取り付けて、電源コードを短くする作戦です。
太くする案もありますが、まず短くしましょう。
私の5本直列も4本並列もすべて、コードを最小限にしてください。
限りなくゼロへ近づける努力をしましょう!
メーカーの電池による外部電源が全てと云って良いほど
リチュウム電池で、かつカメラの下に取り付けられていた理由が
これで明らかになりました。
コード及び接点の抵抗値が1/10になれば0.06Vの電圧降下となり、
1本分は0.012Vですから、理論的には1.012Vが終了時電圧となり
ようやく目的を達成するのです。めでたし、めでたし!
これまででも5本直列電源とペア電源は有効でしたが
この改革により
さらに
強力に生まれ変わるのです。

いやあ、楽しみだ…。
実際の改善結果は、追ってご報告いたします。
11月9日



製作結果

取り急ぎ完成写真を掲載します。
新型5本直列を本体の左側にセットしました。
コードの長さは約15cmとなりました。従って、抵抗値は1/6
で、電圧降下は1本当たり0.016V。これが理論値より残ることになります。
理論的に終了電圧は1.016Vですから、まずまずでしょう。

CanonPowerShotPro90ISの方も新型化しました。
驚いたことに、DiMAGE7で5本直列でも使えなかった電池6本にすると、キャノンのカメラを駆動しております。

NEW6.JPG - 89,628BYTES

ご覧の通りコードは最小限の長さになりました。

【使用部品】

名前は解りませんが、ホームセンターで相当丈夫なL字型の取り付け補助金具を買ってきました。
STRONG No.7
と刻印されています。550円でした。

この長い辺の方をカメラの下に持ってきて、
3脚ネジ(インチネジ:1個180円でカメラ専門店で売っています。)で取り付けます。
全体の工作には若干ノウハウがありますので、詳しい説明は追々やっていきますが、
その他の部品は新5本直列のページと全く同じです。見当付きますか?

この状態でDiMAGE7の方は、左側にウエイトが来て、なかなか持った感じがよろしい。
慣性モーメントも大きくなって、少しスタビライザーの働きになっている。
オリジナルよりシャープな写真も撮れるので1石3鳥である。

 使用済み電池で写真がいっぱい撮れる。(1鳥)
これで搾り取られた電池は、放電器いらず。すぐ充電出来る。(2鳥) 
手ぶれが起こりにくくなる。(3鳥)

ようやく完成に近づきました。バンザーイ!
実際の使用した撮影枚数の結果については来週やります。乞うご期待。

11月10日

電池と関係ないんですが、月の写真です。
ケンコーから発売されたDiMAGE7i用の望遠コンバージョン・レンズ(1.83倍)を付けて
約370mm相当。周辺部は色収差で使えませんが

中心部の解像力は立派です。この画像はピクセル等倍です。
月齢16日 ISO100 F4.0 1/500 ハード、Cont+3
手持ち撮影(スタビライザータイプU)
17MOON.JPG - 27,620BYTES

12月11日(最新) ISO100 F3.5 1/125 ハード、Cont+2
手持ち撮影(スタビライザータイプU)
ちょっと撮るのが遅すぎて西に傾いてしまいました。
クレータがいっぱい写っていますね〜。
肉眼ではいくら目が良くてもこうはいきません。

8MOON.JPG - 23,824BYTES


☆ 余談ですが ☆
私はもともと天文少年だったので、本格的な望遠鏡で400倍から600倍で月面は見ています。
それはそれはすごい眺めですが、写真はむずかしい。
デジカメのようなカメラで、上の写真ぐらいが撮れれば御の字です。
本格的な望遠鏡で実視したときのようなすごい眺めを写真に撮るには、
赤道儀で完璧に追尾し、振動を極力与えないように撮影するのです。
【さらに余談】
自分で反射望遠鏡の主鏡も副鏡も研磨してましたので、そっちのHPも作りたいと思っておりますが、
明るい望遠鏡で高倍率の600倍、ということは口径30cmの、ニュートン式ではなく
カセグレン式反射望遠鏡が必要です。
カセグレン式は主鏡をパラボラ面とし、中央に副鏡からの反射光が通る穴をあけます。
副鏡は回転双曲面で、研磨と検査方法が難しかったのですが、私の考案した検査法(未発表)でばっちりでした。
カセグレン式は副鏡の負の焦点距離により、主鏡の焦点距離が3から5倍ほど伸びるので
高倍率とともに主鏡はコンパクトにできる利点があります。世界中の天文台の望遠鏡の主流です。
ちなみに、アマチュアは望遠鏡の口径をcmで表しますが、プロはメートル単位だそうです。
【余談終了】
 


第二部

 
新型5本直列タイプU

鎌倉で358枚撮れたのは、これです

ご覧のように電池はカメラの直下についてコードはさらに短くなりました。8cmです。
それで、このバージョンのねらいは金具前方に開いた穴二つを使って、
ここにスタビライザーの腕2本を付けるのです。
後ろにも取り付け可能ですから、3本腕になる予定です。。
オリジナル・スタビライザー1号よりコンパクトにしようっと。


NEW5SH.JPG - 44,229BYTES  NEW5SU.JPG - 42,770BYTES


制作編

中心柱の成型を今度は完璧にしました。かなり電池はフィットします。
それから、銅板の厚さを0.8mmとしましたので、さらに抵抗値減となっています。
右の写真の3脚取り付けネジの固定はワッシャーを片方切り離して、少し広げてネジに付けました。
それと、このバージョンは6×80mmのボルトを使っています。
電池はエポキシの柱が完璧にできたのでずいぶんとセットしやすくなりました。
ここら辺が制作のポイントでしょう。
電池の方にサランラップをきれいに巻いて、パテが柔らかいうちに押しつけ成型します。
このとき5本がぴったりくっつくぐらいの最小限の太さにするのがコツです。
細くないと32mmのワッシャーの押しつけが不十分になりトラブルの元です。

★この成型のコツをもう少し詳しく述べます。

エポキシ・パテは何用でもいいと思いますが、固化時間は30分ものの方があわてなくてよいと思います。
10分では慣れていないと、やっているうちに固まってきて、泣きたくなりますね。

ワッシャーとボルトは2液混合接着剤(あれば金属用)の接着剤であらかじめ固定した方がいいです。
 
1. ★32mmのワッシャーは穴が大きいので、ボルトの頭が中心に固定できません。
そこで、接着剤を塗りながら、まず補助ワッシャーをボルトに付けてから、L字金具に付け
メインワッシャーを付けて真ん中に固定してしまいます。
このとき、固まるまでナットで仮止めしますから、ナットが後で外せるように、
ナットには接着剤が付かないよう気を付けてください。
端からいうと、ボルトの頭、補助ワッシャー、L字金具、32mmメインワッシャー、ナットという順番です。
ナットで固定してやれば、最初の4つは完璧にくっつき、ぐらぐらしません。

注)この説明は新型タイプU(L字金具付き)のものです。
改訂前は単なる新型5本直列電源のもので、L字金具が抜けておりました。
 
2. そうした準備をした後、固まったワッシャー付きボルトにゴム板2枚を取り付け、
押さえの側のメインワッシャー、補助ワッシャー、蝶ネジの順にセットしてから
エポキシ・パテを適量練り始めます。2枚のゴム板を両サイドに電池の幅だけ離しておきます。
そして、5cm×1.5cmぐらいの四角い板状にしてからボルトに巻き付け、
サランラップを巻いた電池を手早く正五角形の配置に押しつけて、さあ次が大事!
 
☆エポキシの成型は蝶ネジで締め付けながらやります。
 
3. 5本とも押しつけた状態で、電池が動く程度の適当な強さで蝶ネジを閉めておくのです。
エポキシが固まるまでそうして締め付けておくのです。
電池全体が上から見て、対称的な正五角形になっているかどうか確認してください。
 
4. 最後にゴムバンドで電池を周りから締め付けて、固まるのを待ちます。
このあと、最後に銅板をゴム状の厚手の両面テープで張り付け、
正負電極の銅板にコードを半田付けしたものを貼り付け、
もちろん、半田付けをして、冷えたところで両面テープですよ。
この部分は新5本直列と共通です。

TYPE2_MAIN.JPG - 90,690BYTES

半田付けのコツ

コードと銅板のリード部の両方にあらかじめ半田を付けておいてから、
おもむろに両者を熔着します。コードはビニール皮膜の剥き方を誤ると、
中の心線を一部切ってしまい、少ない心線で半田付けをされてしまいます。
すると、コードの抵抗値が増加してしまいますから、なるべく全ての心線が銅電極と結合したいものです。
良い半田付けとは、両方の金属面をなるべく広い面積で押しつけて、
その間の空間を埋めるべく、錫と鉛の合金である半田で【濡らす】ことです。
完全に両方の温度が半田の融点を超えていないといけません。充分熔け合ってからはんだごてを離しますが
そうでないと一見付いているように見えても、浮いているため抵抗値が大きい状態になります。
ふつう巻き半田には松ヤニが入っていて、これが半田の融点を下げて扱いやすくするとともに
金属面に広がり表面の酸化を防ぎます。結果として半田が馴染みやすくなっているものです。
へまをして長引くと、松ヤニが蒸発してなくなってしまい、全体が堅くなって付きにくくなります。
このようなときは、もう一度新しい半田を付けてやり直します。さて、そういうわけで
はんだごてを付けている時間が長すぎると、ビニール被膜が熔けてきたり、金属面が酸化してしまい、
半田自体も酸化してきてろくなことはありませんから、適当な時期に離します。そして、離したら
素早く冷却するために息を鋭く吹いてやり、固まるのを速めます。
すぐに、水を浸したティッシュペパーなどに押しつけてジュッと完全冷却。
時間をかけすぎると、熱で銅板が酸化し色が変わります。
変わったら磨けばいいんですけれどね。適当な研磨剤、ピカールなどで。
これで、完成。




このあと、私はスタビライザーをつける作業にかかりますが、
あまり目立つことが嫌いな方はここで終了となります。
カメラに取り付けると電池自体がグリップとなって具合がよろしい。
電池をすっぽり覆うような革製の袋などをかぶせればデザイン的によいでしょう。
取り付けた状態ではカメラをどこかにおこうと思ったときに不安定ですが、これを解決するには
金具にさらに足を付けて、3脚化し、立つようにすればよいでしょう。
私はとりあえず、戸当たりテープをカメラ本体の横に張り付けて、ゴトゴトいわないようにしております。
続く

11月15日

スタビライザー化

アルミジョウイナーの取り付けはL型平板というもの。
ディスクグラインダーで直角の角を削ってよけいな出っ張りを取ってっておきます。
そうしないとカメラの取り付けネジの入る余地がなくなりますので忘れずに。
もっとも、買ってきたL字金具が私のより長ければ省略可能です。
ネジ穴は電気ドリルであけました。以上、このような道具をお持ちでないと結構大変でしょう。
アルミは柔らかいので手回しドリルでもいけます。鉄製品を加工するのは極力さけてください。
けがをしますし、なかったら別なもので代用した方が賢いです。
これらの結合は、すべて金属用接着剤を塗った上でネジ止めしてます。
ぎっちり締め付けないと、使っているうちにゆるんできて、情けないことになりますからね。
アルミ・ジョイナーの長さは今回20cmにしました。
1号機では長すぎて、人混みに入ったとき邪魔になって気を遣います。人にぶつかると顰蹙です。

コンパクトを目指しました。これでも、いい写真が撮れますよ。
取り付けはヨドバシでも売っている3脚取りけネジ。長い方と短い方を売っていますので、長い方を使います。
カメラの下に32mmワッシャーをかました方が、カメラが傷つかないのでグッドです。
間にゴム板を挟んだ方が固定にはいいようです。

完成写真

長さ20cmのアルミジョイナー棒を付けて、気持ちスタビライザーの要素を持たせたシステムです。
本格的なものに比べて性能は1/2程度ですが、コンパクトで使用感の評価は2倍です。
  TYPE2_ALL.JPG - 127,296BYTES

最後に取り付けた様子。おもりは許せる範囲でなるべく重くします。
TYPE2_TAIL.JPG - 33,083BYTES

取り急ぎ制作し、明日の試撮影に備えました。
5本直列部分は完璧です。

11月16日その未明。

使用レポート

DiMAGE7がダメ出しをした電池4本と1.3Vくらいのニッケル水素1本とで組みました。
気温が12度あるかないかの晩秋の低い山中と海辺で使用して182枚撮れました。
電池は上の写真のように裸でゴムバンド一丁です。
もう少し温かくしてあげたら水素を吐いてくれるのでしょうか。
でも、大成功ですね。182枚。
この5本直列電源方式がなかったら
みすみす放電器で捨てられる電気でしたから。

そのうちの1枚 ある牧場にて 
こんなの撮れて良かったね〜☆(^−^)/
KOYAGI.JPG - 134,573BYTES

使用レポート第3段

11月24日(日)
ふたたび鎌倉円覚寺へいきました。
前回の残りの電池が何枚撮れるか、興味がありましたので。
今年はどういう訳か、紅葉が全部赤くならないうちに枯れ始めております。
17日の方がきれいでした。今回の課題はビビッドカラーからの脱却。
DiMAGE7シリーズの美点は画像の渋さにあります。
なのに、つい色の鮮やかさを求めてビビッドカラーにしてしまうのです。
絵はがきのような、とはほめ言葉ではありませんからね。
さて、電池ですが、前回の残りは173枚撮れました。
前回198枚ですから合計371枚、記録更新。
1週間あいたけれど残っていましたね。
そこで、再度新しい電池セット5本を入れてとり続けました。
今度は355枚まで撮れて終了。

新型5本直列タイプUは平均361枚撮れますね


専門的な知識や理屈など無視して、とにかく作ってみたい人へ
超初心者のためのお助けコーナ

第3部

電池が切れることの考察

電池が早く切れてしまう原因は、これまでの追求の結果ほとんどが
ダメ電池が1本混ざっていたことに起因します。
ダメ電池は、別に、常にダメなのではなく、充電の具合で決まるようです。
日替わりダメ電池当番制?
ですから、大事なのは充電の均質化ですが、これが難しい。
満充電は急速充電でやっている場合、ほとんど望めません。

なぜならばデルタヴイ法(−凾u法:充電は基本的に定電流回路で充電しているが、
充電完了直前に少し電圧が下がる。この現象を利用して終了のタイミングとする方法)
で急速充電している場合、ランプの消灯を見て適当に外しますが、
そこで停止するとトリクル充電が不十分になります。(TrevialCurrent:略してトリクル、ってか?)
まだ、入るにも関わらず途中でやめるタイミングは充電ごとにまちまちですから、
ほとんどの場合、満充電にはできません。
(わたしも、あきらめております。)
この事実は知る人ぞ知るです。

11月16日(土)午後3時

電池の尻みがき

電池端子はよく磨きましょう。
このような作業をすると、電池の端子はエポキシ・パテや汚れがいっぱい付きます。
電池の負極は面積が広く、汚れが付いてと取れなくなって、接触不良の主原因です。
すると、充電したにもかかわらずすぐ切れて、びっくりすることが多々ありますが、
このようなときにはニスやペンキなどで塗装されていない
裸の平らな木材に擦りつけるのがよろしい。
ジーパンのズボンに押しつけてもよいのですが、
全面に力が伝わらないので、乾燥した雨ざらしの木材がもっともよい。
外出先に木材は結構ありますよね。
家では、プリンタ用紙のマット紙でも結構ピカピカに磨けます。
強く押しつけて、1回1方向にこするのです。
ここがポイントです。往復運動はダメです。
クリーニング理論というのがあるのです。
机の面(テーブル)でも、レンズのクリーニングでも
クリーニング用の布を
研磨面に強く押しつけて、
漏れのないようにゆっくり1方向に掃き出すのです。
レンズの場合はぐる〜と力を入れて、丸く拭きます。
もののわかっていない人はごしごしとやりますが、
あれは、汚れやごみが往復し、拭いていることになりません。
レストランでもテーブルの拭き作業は、プロはそのように拭いていますね。
ガソリンスタンドの方々も、そのように拭いております。
このテクニックはレンズクリーニングに必須です。
レンズ工場のプロたちの技術だそうです。
秘伝、というほどのこともないですが
クリーニングは1方向にゆっくり拭うのです。



アルコールで拭くことに関して

1部の雑誌の記事から始まった都市伝説です。
「CDは冷蔵庫で冷やすと音が良い」という類です。
私も読みましたが、ある業界の人の試用レポートで
DiMAGE7の電池がすぐ切れたので接点が汚れたのと思い
アルコール(たぶんテープレコーダーのゴム・ピンチローラーの洗浄剤の類でしょう)で拭いたら
だんだん電池の持ちがよくなった、という経験則からきているものと判断します。
これって、ニッケル水素電池は使い始めは、容量が少ないのを知らなかっただけでしょう。
業界の人だとしても知らないものは知らない。
うっかり、誌面に書いてしまった事実がひとり歩きし始め、
親切という名の知ったかぶりで広まったものと考えられます。
たしかに、洗浄することはいわゆる常識的で悪くないように思われる。
主に手の油がついたら、「油は一般的に絶縁体だから電気の通りには良くない。」
という常識に従って、「油膜」を取り除くことは良いことだ、という主張は万人受けする。
かなりのインテリの方でも実行していて、疑わない。
常識には盲点がある。信じて疑わないから、科学は急速には進歩しない。
人類の歴史は「迷信」との戦いである。
────油を塗っても導通はするのです。────
鵜呑みにしてただ信じて実行し続ける前に、ことの本質を考えてみよう。

1)ニッケル水素電池は製造時に水素吸蔵金属の粉末を固めてアルカリ処理をし、
隙間だらけにして吸着のための表面積を椰子殻活性炭並に大きくしたものだから
この水素吸蔵金属の隙間でできた水素原子の通り道が最初のうちは、
ふさがっていたり狭い部分があるのだが、なんどか使ううちに広く滑らかになり
開通することで容量が設計値になるものと思われるので、どうしても初期容量は小さく
充放電を繰り返して使ううちに成長する感じになる。
それと、何回か充電放電を繰り返した方が表面が荒れて、表面積が増大につながり容量が増える。
こういった事実がある。これは技術の問題で、そのうちに改善されるはずだ。
2)金属の接触による導通は、表面をミクロ的に削りながら金属原子が近づいて電子が渡る。
だから、表面に薄い絶縁被膜があっても、電池を装填するたびに削れて生の金属が露出するような
形であれば、問題ない。油膜はあってなきがごとしである。
3)錆びないようにニッケルメッキされた表面も、堅く乾燥した透明の絶縁物質が表面を覆うと
見た目にきれいに見えてもダメである。強力な有機溶剤(たとえばエチルエーテルやトルエン)などで
クリーニングするのは、これに溶かされた有機物が揮発性の溶剤が乾いた後、
薄く層状にコーティングされたように残るとすれば、逆効果の可能性がある。
エチルアルコールはそれほど強くはないものの、似たようなことを起こす。(後述)

どうしても、というなら別に止めはしないが、有機溶剤で溶けるゴミがついていた場合
いったんアルコールで濡らした後に、良くふき取らないと
わざわざ不揮発性分(汚れを)一面に広げてコーティングするおそれがある。
特にカメラ内部の接点はふき取れないので、
取り返しがつかないから、やめた方がよい。
4)有機物の汚れでもっとも危険なものは、分子量が大きく熱で「お焦げ」を作るものである。
たとえば糖分のようなもの、これはミクロ的な導通で大電流による熱が発生した場所では焦げる。
つまり、炭素の固まりを残す。炭素は半導体であり、電気は通るが抵抗値は桁違いに大きい。

アルコールで拭くぐらいなら、まだ、次のものの方がはるかに気が利いています。

「接点復活剤を吹き付ける。」

しかし、これにはスライド接点用とリレー接点用があるのを知っているだろうか。
容器のどこかに必ず書いてあるので、持っている人は確認しよう。
ふつう秋葉原などで売っているものはオーディオなどのボリューム(摺動抵抗)に使い、
雑音(オーディオ用語でガリΩといいます)のない
滑らかな動きにするために噴射するのです。
したがって、浸透潤滑剤です。
つまり、狭い隙間によく行き渡り、滑りを良くするというもの。
決して、導通による酸化被膜を除去し、
魔法のような働きで接触抵抗を回復するものではありません。
リレー接点用といえども、所詮クリーニング剤です。
吹きかけるだけでは接点の酸化物はとれません。
拭うという処置が必要です。
だったら、はじめからぬぐえばよい!

アルコール派と接点復活剤派はお互いに敵同士です。
なぜならば、アルコールで拭く人はそもそもが油膜を取るというお題目を唱えるからですが、
接点復活剤は潤滑油を塗る行為だからです。さあ、どちらが勝つでしょう!
科学的な証明を必要としないもので、私たちの心を落ち着かせるものに、宗教というものがあります。
上の二つは信心の問題ですから、早い話、宗教論争ですので
このへんでやめておきます。

追補

有機溶剤などで拭くのを私が嫌う理由を、いま思い出しました。
わたしが、反射鏡を研磨していたころ、
ガラスに真空蒸着器でアルミナイズする前処理として、
研磨面を完璧にクリーニングする必要がありました。
で、強力な有機溶剤のエチルエーテルできれいにしたつもりが
アルミメッキをした直後はきれいな鏡ができたと喜んだのもつかの間、
何日かすると、拭いた形にアルミは浮いて剥がれてきます。
きれいにしたつもりでも、ダメなんです。
たぶん、手の脂肪分がきわめて薄くではありますが残ったのでしょう。
結論的には、アルカリ溶液で洗浄処理をしてから、多量の水を流して、
アルカリ成分を流し、触れないようにして、逆さにし、
自然乾燥がもっともよかったものです。
メッキ工場では大量の揮発性溶剤で洗い流し吹き飛ばしながらクリーニングしております。
もちろん洗浄液は回収してますが。どうしても、捨てる部分があります。
半導体の工場では有名なフロンで清浄処理をしておりましたが、あれが、それです。
アマチュアでは無理です。

それと、電池の接点は油膜があっても導通するのは常識です。
大電流を扱うスイッチなどは接点を油の密閉容器中に入れてあり、
酸素を絶つことにより、接点の酸化を防ぎます。
接点の温度上昇もそれで冷却するのです。
接点回復剤の中の溶剤はそのようなもので、
酸素を除去する目的のものです。

私はもっとも極端な実験をしたことがあります。
電池にラー油を塗りました。それを装填しても
何の問題もなくDiMAGE7は起動します。
もちろん、ラー油は餃子に使うのが正しく
電池に実用しない方がよいのはいうまでもありませんが、
そんなんでも良いことをいいたかったのです。
接点回復剤がなければCRCでもいいでしょうね。
しかし、電池の電極は鉄合金にニッケルメッキなどですから、
普通は錆びませんので、何も付けずに、
擦り取るのがベストです。

      

電源コードの半田付けについて、ふたたび

大電流では、どのような抵抗値も阻害要因です。で、思い出しました。
私には電気屋さんの親戚がいました。
プロの電気屋さんは、配線の結線処理は2本の線を圧着します。
これがベストだそうです。
半田付けも経時的には良くありません。
それと、鉛と錫の合金である半田自体もさほど良導体ではありません。
(銅に比べれば)
そこで、いちばん良いのが圧着でした。
半田付けではない電源コードの接続については
圧着ペンチが必要なので、どうしたらよいか思案中です。
普通のペンチでやってみましょうかね。
現時点の方式で、かなりの良い結果は得られているので
さしせまった改善要求はありません。
ですが、気が付いてしまったので、そのうちやってみます。

12月5日

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