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ニッケル水素電池の使い方新案
提案2002.5.10

Counter

デジタルカメラの終止電圧の限界を超えた
ニッケル水素電池使い切りの妙手

第1弾

5本直列方式
 

はじめに

DiMAGE7i が新発売されて、一時騒がれた
いわゆる”電池が持たない”問題は、
ミノルタ社にとっては解決されたかも知れないが、
旧ディマージュ7ユーザーにとって解決がなされたわけでない。
それに、元々デジタル・カメラにとってもは、
依然として本質的にニッケル水素電池の使い方に問題があることが判明した。

 この問題は昨年の九月頃には、ユーザーサイドにおいてすでに、
ニッケル水素電池のメモリ効果に対する対策としては放電器付き充電器による充電と、
電極のクリーニングによる接触抵抗の改善で現実的解決をしていたと思われているが
http://www.geocities.co.jp/PowderRoom-Lavender/2120/参照。)、
原因の本質がちがうことと
一つだけ、誰も気がついていないもうひとつの解決法に気がついたので、ここに発表する。

巷で云うところの接点クリーニングについては、
油膜は関係ないこと、
ひたすら接点金属を近づける圧力がポイントであること、
そして、DiMAGE7が電池の持ちが悪いという伝説は次の2点から起こった。
1)DiMAGE7は初めての500万画素ということでメーカーが慎重になり、
カットオフ電圧を高めにとってしまったこと。
2)ニッケル水素電池には最初に使う初充電の容量が
中の化学変化の特性上、きわめて少ないことがあり、
すぐ切れてしまうことがある。
このときの容量にかなりなばらつきがあるので、
その後しばらく尾を引いてしまうことになり、
一番少ない容量の電池が全体の使用限界を決めることになる。
これらの2つが不幸なことに重なって、
騒がれたことがどうやら真実のようである。
以下、ではどうしたらよいかの発表である。

※油膜については、まったくの流言飛語の類で
物理的根拠はないどころか逆である。

油膜はあった方が接点がさびなくて良い!。
接点回復剤を吹きかける人が多いが、
その中に入っている油は気にならないのか。
商品の名称にみなさんだまされている。
あれは、ステレオのボリュームとか
摺動抵抗などの動く部分の潤滑剤であって、
錆びてザラザラしてなめらかな動きが阻害されるのを
防ぐのが主たる任務のものである。
したがって、早い話CRCを塗っているのとほとんど同じなのですよ。
動かない接点用にはリレー接点用の回復剤なるものがあります。
たぶん、お持ちの接点回復剤のラベルにも書いてあるでしょう。
見てください。
ためしに、ラー油をべっとり電池の電極に塗ってから装着し、
起動してみると、何の問題もなく起動する。
クリーニングをしろとはマニュアルに書いてあるが、
アルコールで油を取れとは、ミノルタの会社もいっていない。
あれだけ騒いだにもかかわらず、
そのような指示はどのカメラメーカーのマニュアルも書いていない。

電気物性的なテーマになりますが、
空気より誘電率の大きい油のようなものが金属接点の間にあると、
どれくらい接触抵抗が変わるかという
点に関しては、あとで、すこし専門的な話をするつもりです。
油が絶縁体であるなら空気だって絶縁体ですからね。
そして、空気に触れて絶縁抵抗のもっと大きな酸化皮膜が出来た方が、
遙かによくないことは、とりあえず、わかりますよね。
でははじめます。

1.5本直列方式

 前述の参照ホームページにあるメモリ効果の電圧曲線を見てもらいたい。
MEMORY.JPG - 59,810BYTES
 要約すると、充電されたニッケル水素電池の初期電圧は1.4V位で、
メモリ効果のおこった電池については
電流を20%とり出した段階まで急速に1.22Vまで下がり、
以後なだらかな傾斜をたどって90%使用段階で1.1Vまで降下し、
それ以後急激に電圧がゼロへとむかう特性曲線となっている。
ディマージュ7に限らず、
どのデジカメもこの曲線の途中のどこかに
電源カットの基準電圧をもうけているので
、いずれにしても充電された電気を
100%使いきって終了してはいないことに気づくであろう。
問題のおおもとはディマージュ7の基準電圧が
1.2V付近に設定されていたことに起因する。
(注:7月の現時点で、その後の検証により、
使用時のカメラ側からのリクエストによる
パルス状の使用電流で生じる電圧変動の下限
(最も電流を使っているときの電圧)が1Vを切ったとき(全体で4V)に
電源カットオフが起こることがわかっている。
(上の図の1.2Vは無負荷電圧で、
実際の電圧は内部抵抗と接触抵抗などの電圧降下が必ず起こる)
     ☆      ☆      ☆
 おわかりと思うが、このカメラがもうだめといった電池には、
なんとまだ約80%の電気が電池に残っているのだ。
(注:いうまでもないが4本セットで話をすれば
4倍の4.8Vがカメラとしての基準電圧ということ。
いまは1本当たりで議論している。
かつ、メモリ効果のおこった電池での話。
メモリ効果が起こっていなくても40%が残っている。

 参照: 
http://www.sanyo.co.jp/energy/faq2.htm

 そこで、この基準電圧を1.0Vに設定してやれば、
電池の100%を使い切り、
尚かつメモリー効果の心配も無用となるわけだ。
しかし、ユーザーはカメラのこの基準電圧はいじれない。
では、どうするか。
5本にするのである
カメラが駄目だといった電池を5本使って
1.2V×5=6Vにしてやるのだ。
この電圧は充電したばかりの新しい電池4本分の6.4Vより小さいが、
5本すべてが1.0Vになってもまだ5Vあり、
4.8Vでダメだしをしているディマージュ7が文句を言う筋合いではない!
よって、5本直列にした電池ケースの電池は
充電された電気をほとんどを放出して、
すっきりと次の充電におもむくことになる。
高価な放電器はいらない。
エネルギーの有効利用になり地球に優しい。
ディマージュ7は1セットプラス・ワンの電池で
従来の5倍の枚数がとれる驚異のデジカメへと変身!
というのは一種の詐欺で、
実際はメモリ効果が起きていない電池が200枚とすると、
そのおよそ1.6倍の320枚が控えめなところである。
私はEVFのみを使用して(当然、のぞいたときだけONの設定で)
フル充電された電池2セットとプラス2本で、
1日約700枚(1Gのマイクロ・ドライブをフル)を撮っている。
(その後の検証事実:500万画素のファイン以上では500枚程度で、
200万画素を半分近く入れると約800枚という話。
200万画素だけの場合は実は、やったことがない。誰かやりませんか。)
    ☆      ☆      ☆
具合的なこのシステムの作成要領は後述するが、
きわめて簡単な工作である。
電気に詳しく、かつ電子工作が得意な人は、
5本にすると聞いただけでピンとくるはずだ。

 あくまでも、1度使用して取り出した電池を5本にすること。
はじめからフル充電の電池を5本にするのではない。
そんなことをすると、1.4の5倍の7Vが愛しいディマージュ7 にかかってしまうぞ。
壊れないが耳を近づけると
小さく「ちー」といって悲鳴を上げているのを聴くことができる。
(いじめたい人はどうぞ…)。
念のためにいっとくと、使用済みを6本のアイデアは、
もう、私が試してあり、「ちー」
と鳴くのを聴いたのは実はそれ。

それから、「そうか、俺はさらに1Vに下がってからは6本にする!」
と張り切ってもダメだ。もう、電気はありません。…

 注意:このようなことをするとカメラやマイクロドライブが壊れると
心配される慎重な性格の方が多いと思いますが、
電気回路設計の常識で回路素子の耐電圧はまともな製品の場合、
コンデンサーにしろICやトランジスターにしろ150%ぐらいはとっておくものです。
定格が6Vの場合9V位を瞬間にかけても永久変化すなわち、
元に戻らない状態、有り体に言えば壊れるということはないものです。
ただし、あくまでも瞬間(数秒〜数十秒)でして、
熱の発生・蓄積の観点から継続的に使用してよい訳ではないという意味
誤った使い方になるのです。電子回路を自作したことのない方はしかし、
このようなことをいっても恐らく心配でしょうね。
でも、大丈夫なのです。
事実、わたしのDiMAGE7は快調に現在も動いており、
「たいしたもんだよ。君は!」という写真を私に与え続けてくれています。
(この1台あれば何もいらない。…永久保存用としてもう一台欲しいかな。
段ボール箱に20台ぐらい詰まっているのを見るのもうれしいかもしれない。)

 さて、まだ問題がある。
通常4本セットで電池を交換しているが、
テスターを持っている人はためしに
1本ずつ使用済みの電池の電圧を精密に測ってみるといい。
まったく、個体差のない均一に作られたと思われる電池であるが、
なんらかの原因(充電器による充電時の接触抵抗か
なにかとか電池内部のばらつきかなにかとか)で
残り電圧が少しずつ違うことに気がつかれよう。
すると、一番はじめに電気の切れた電池の内部抵抗が大きくなり(直列が為)全体を支配して、
ディマージュ7をして「あかん!電池切れや…(ミノルタカメラは大阪育ちです。)」
と、言わしめるのだ。
よって、それ以外の3本には
まだ電気が残っているのに交換されて充電されて、
あげくのはてに1.2V以上ある良質な電池から先にメモリ効果が起こっていく。
(この辺の事情は一体型カラーインク・カートリッジ交換の事情と同じである。
他の色がまだ残っているのに1色が切れたため交換されて捨てられた不条理。) 
このことは、おわかりとは思うが、
一番ダメな電池で全体の撮影枚数が決まっているということだ
よって、ときどき電池のトレードを実行することが賢明である。
複雑だけれどね。

 この事実だけ使って、あくまでも正規の電池構成4本でいきたい人は、
テスターを撮影現場に持っていき、どの電池がダメなのかをしらべ、
それをはずして、2セット目(合計8本)が終わった段階で
残りの6本ぐらいの中から4本を選びなおす方法がある。
もっと、安易な方法では、適当にどれかを差し替えるだけでも、
さらに20〜50枚よけいにとれる場合がある。
 (私ははじめこれをやっていた。)

 いずれにしても、
単純に、カメラのいうことを聞いていたらダメです。

 具体的作成方法は写真掲載のみで失礼!
部品は東急ハンズなどで売ってます。
6VのDCアダプター用ピン(センターをプラスに接続::写真のコードでは
白い線の入っている方がプラス
もちろん電池を入れる方向も
バネの方はマイナス
絶対間違えないように。)と6本直列用電池ケースを買うこと。
そして、制作ポイントは、電池の正極は銅板で受け、
電池の負極がつくコイル状バネには銅板の電極をかぶせて(写真参照)、
それと隣り合う電池の正極の銅板に極力短いコードで結ぶことです。
つまり、なるべく接触抵抗を小さくする工夫があればよい。
そして、全体を外部電源として構成すればよいのです。
全部で500円ぐらいです。以上

謝辞:URLの参照およびメモリ効果の説明図の転載を
快く承諾していただいた藤村氏に感謝いたします。

BATTERYJP0.JPG - 50,204BYTES 
左図:セットの全容(外部コードは半田でケース電極に直づけ)

左下図:隣の電池の+極を銅板で受けその銅板に
半田付けしたコードをコイルバネにかぶせた小さい銅板に付ける。
右下図:最後の負極は
小さな銅板をコイルにかぶせて受けてから外部コードを直づけする。

 BATTERYJP.JPG - 29,578BYTES 

  
BATTERYP.JPG - 29,077BYTES
右図の左の銅板は下の負極から来ています。

注)この電池ケース方式は10月26日の時点で新方式に変更しました。









よって、5本直列電源の具体化にはそちらを採用します。この製作法は廃棄します。
しかし、
DiMAGE7は4Vで稼働可能であることを発見した
歴史的に意義深いものでしたので、
ここに掲載し続けます。


補足:電池同士を結ぶ銅板を省くと、
テスターでは6V以上になっても電池切れマークが点滅してダメです。
この点に関しては私の制作例を守ってください。
接点のコイル状バネの連結では失敗します。
わたしも、最初はそのようになって失敗しました。
テスターでそこの抵抗を計ってもほとんどゼロですが、
バネの材質が鋼鉄で、その抵抗値がごくわずかでもあるため、
コイル状バネの接点ではダメなようです。
それから鋼鉄のバネ(クロムメッキをしてある。)
と電池の電極が硬いため
接触抵抗
が小さくできないことが
もう一つダメな理由でしょう。
銅板のかわりに太めのコードの導線をひろげて
コイル先端に半田付けしたものでも良いでしょう。
身近な金属では、銀がもっとも抵抗率が小さく、銅、アルミニウムの順番に大きくなります。
鉄は抵抗率が大きく良い導体ではありません。
鋼鉄はさらに悪い。
改良版DiMAGE7iでも電池ケースのバネ圧をあげたとのこと。
これは、ミクロ的には金属同士の点接触になる電池と電極の接点が、
圧力によってその接触ポイントの数を増やすことになるのだと推測できます。
よって、少し柔らかい金属である銅が相手なら、電池の極金属が食い込み
うまく抵抗値が下がるのではないかと考えております。 
それから金属は酸化被膜が表面を覆い、
弱い圧力では酸化被膜が破れないために抵抗値が上がります。
ほんとは柔らかで酸化しないが最高でしょう。
もし5本電池電源がうまくいかないときは、
入れた電池をぐりぐり回して銅板電極表面の酸化被膜をはがしてみてください。
このぐりぐりはいつでも有効です。
電池をセットした最初におまじないのようにやります。
それでもダメなときは、どうぞ遠慮なくメールをください。
他の原因を探します。
なぜならば、私はうまくいっているのですから、
何かが違うのでしょう。
(上の写真下図2枚は5本の電池セットで撮りました。
フラッシュもたいています。
使用済みとなってから3週間はたっていますが
(つまり、5月5日に撮ってから今日追加撮影まで)、
まだまだフル充電の表示です。)

補足2:このホームページをご覧になった方から
大変良いアドバイスを戴きましたので紹介します。
「銅板のかわりに薄い銀箔を用いたがうまくいかなかったので、
大容量のコンデンサーを並列に入れてやったら作動した。」とのこと。
このお方のアドバイスとしてもう一つ
「バイク用の鉛蓄電池が携帯電源として使える」のだが、
これもやはりコンデンサーがないと作動しないそうです。
128MBのコンパクトフラッシュの使用条件下で
3300μFをパラってやると100%OKとのことでした。
*   *   *
というわけで、わたしもさっそく追試しました。
私の装置では銅板電極がうまくいっており、
そのままでは比較試験にならないので、
銅板を全部取り外してコンデンサー並列だけにしました。
ただし、1GBのマイクロドライブ条件下という過酷な使用条件下です。
たしかに、コンデンサーがあると起動します。
補足にも書いたようにコンデンサーなしでは電池切れを表示します。
ところで5本の電池は内訳が4本が使用済み電池、
1本がデジカメで使用してアウトになったアルカリ電池です。
ダメ元でやってみましたが、
私のオリジナル仕様の銅板付セットでは全く問題なく快調に撮れていました。
銅板を外し、代わりにコンデンサーをつけた装置は何枚か撮影できます
(右の写真がそれです。)が、何枚か撮るとハングアップします。
コネクタを抜かないと切れません。
(この理由は後述するように1本の電池の消耗が原因でした。)
もちろん壊れたわけではなく
もう一度起動するとフル充電のマークでマイクロドライブの枚数も表示します。
何度か同じことを繰り返しているうちに、
ふと思いついてテスターで電圧を測ってみました。
これが、次の転回をもたらしました。

コンデンサーの配線のため引き出した導線で
電圧をモニターしながらカメラを起動して、
大発見をしました。
次の写真を見てください。
VOLTAGE4.JPG - 42,641BYTES 

 CONDENSER.JPG - 44,306BYTES
左の写真を注目!
 電圧は4ボルトです
これは右の写真のように銅板を放りだして
まさにその電源を付けながら起動し、撮った写真です。
つまり、この写真は
4Vで撮れています。
起動する前は6Vを指していましたが、
起動した後ゆっくり5秒ぐらいかかって4Vに落ちていき、
そこで止まっていました。で、1枚撮影しました。
それが、これです。
それを撮る前にはテスターにつながずに
右の電池ボックス自体を何枚か撮っています。
4ボルトに下がった原因は
5本のうちの一つの電池が放電しつくして内部抵抗が大きくなったためと、
完全に切れてから1本1本調べてわかりました。
ご覧のように銅板電極は全部撤去し、
かつ1.2Vぐらいに減ったニッケル水素電池4本と、
デジカメで使って何かでまだ使えると思って
とっておいたアルカリ電池1本のセットです。
なくなった電池はこの写真ではケースの裏にある
3本のニッケル水素のうちの1本でした。
その電圧は1Vを切っていました。(0.99Vぐらい。)
 電圧をモニターしながらカメラを操作して、
新たな発見のもう一つはAF動作がものすごく電気を食うことです。
ピント調節をしはじめると指示電圧がぐっと下がります。
また、書き込みも電流を消費します。
書き込みしようとして電圧が足らずハングアップもしました。
(別に壊れはしません。)
このあと、改めてすべてを少し元気な使用済み電池で撮った写真が
下の6Vを指した写真です。
この場合、全然と言っていいほど電圧降下は起こりませんでした。
ハングアップも起こりません。
ただし、長時間これで撮っていないうちに私は銅板を戻してしまったので、
コンデンサー付きがどこまで撮れるか実験していません。
というのは、ハングアップしてダメだと思いこんだからで、
原因が電池切れでは
ハングアップしてもしょうがないと思い直しました。
コンデンサー使用をアドバイスしていただいた方に謝ります。
あとで、やってみます。
ちなみに、5本全部を使用済みアルカリ電池にしたら起動しても、
正常動作はしませんでした。

 起動した後のテスターの針の動きを見ている限り、
元気な使用済み電池のセットでは
電源オン時の瞬間的な電圧降下はないようです。
つまり、コンデンサーの御利益は
流れている電流の大きさから言って起動の最初だけであると思われますが、
その後も、内部抵抗の大きさを瞬時に補って電圧を維持します。
だから、定常状態に移ってからの動作は結局、
うまくいくか、いかないかは
接触抵抗とコンデンサーの容量にかかっていると思われます。
これらの実験結果から得られた知見は次のようにまとめられます。

1.5本セット電源はどれか1本が切れるまでとことん撮れること。
この場合、限界電圧は4Vであること。
(使用時で最大電流のリクエストが来たとき)
2.まだ余裕があるうちは電圧は6Vくらいを維持すること。
つまり、ニッケル水素電池はなくなるまで
電圧降下を起こすような内部抵抗の増大はないこと。
3.コンデンサーは瞬間的な電流リクエストの補助をしてくれること。
したがって、起動時やAF動作や書き込み時に
落ちることが減るものと期待される。
4.電池同士をつなぐ電極の接触抵抗は大変重要であること。
(だから、DiMAGE7iの電池蓋のバネを改良したのでしょう。)
ペア電源の最後尾参照
5.AFは電気を食うので、MFにして使うと電池が長持ちする。
(あたりまえか)

以上の成果は、コンデンサー使用の貴重なアドバイスから発したもので、
これがなかったら現時点に甘んじて気づかなかったでしょう。
大変感謝いたしております。 

追加:4本直列を二組並列にすることもやってみましたが、
これも良いですね。
並列にすることで内部抵抗が減り、
書き込み時やマイクロドライブ起動時の瞬間大電流による
電圧降下が半分以下になる理屈ですから、
「あっ、電圧が下がったわ。もうなくなったんやな。」
とカメラ側が思わなくなるのでしょう。
この方法は、5本にする勇気のない方におすすめです。
フル充電したニッケル水素電池をはじめから、
そのようにして持っていけば、かなりタフなバッテリーとして使えるはずです。
ただし、当然のこと、使用済みになっても、
まだ電気が残ったままですので、放電してから充電しなければいけません。
だから、5本方式が優れているのです。
やってみてください。
そして、DiMAGE7の良さを 満喫しましょう。

2.ペア並列方式へ飛ぶ  
AONEXT.GIF - 979BYTES 



NEW_5S.JPG - 26,357BYTES

上の写真は鈴木様の作成された5本直列電源です。
DiMAGE7Hiの使用で、使用済み電池5本で100枚以上撮れたそうです。
私のケースより高級だし、これなら電池同士の結合がよく、内部抵抗も低くなりそうでいいなあ!
以下に述べるダイオードペアのケースとしてぴったりです。
電池ホルダーは秋葉原の秋月電子で買われたそうです。

【外部電源の進化】

5本直列以外にも、充電池使い切りのテクニックを開発しました。
これからは以下の方法で、お作り下さい。

新型5本直列

ニッケル水素電池の使い切り決定版の進化はじまる

5本直列電源は、ニッケル水素電池を1.0Vまで搾り取る方法としては唯一無二の傑作と自負している。
ただ、大きな欠点があった。作るのが難しいのだ。
どこに部品売っているんだ!。銅板の細工がむずかしい。。
ケースが熱で溶けた!。やけどしたぞ!。作るのがめんどくさいぞ!。
せっかく作ったのに、うまく接触抵抗を小さく出来ず、すぐ切れることがある
ほんとに、いいのか?…。
私もそう思います。

しかし

やまなかった雨はない。
困難はいつか去る。
日はまた昇る。


1.製作編

必要な部品は下の写真の通りです。
REVOLVER_KIT.JPG - 48,320BYTES

REVOLVER_T.JPG - 48,012BYTES

見たとおり、ゴム版の上に連結用の銅板電極が張り付いています。
中心を貫くネジの回りにエポキシパテの電池固定柱が作られています。
これはエポキシパテをネジに巻いた後サランラップを巻いた電池を上から押し込み、凹型を付けます。
一応、電池固定というか、収まりがいいように考えてあるのです。
この太さは電池同士がきっちりくっついて、かつ内側の空間を埋め尽くすことが理想です。
電池、5本を押し込んだ状態で固まるのを待ちます。
エポキシの固化時間は10分でも腕に自信があれば大丈夫ですが、30分が妥当です。
それと、ねじれがないようにできた後、固まらないうちに修正します。
電極の固定は接着剤ではなく少し厚手の粘着両面テープです。この方が剥がれないと思います。
そして、ハンダ箇所は、なんと!2カ所だ!。それもコードに付けるだけ。
超簡単!出来ない人はいない!
いたら、手を挙げてくれ。


というわけで、あっけなく完成しました。
REVOLVER_ALL.JPG - 50,811BYTES

5本直列の威力については旧バージョンのページに詳しすぎるほど書いてあります。
最後の完成品の写真はこれで撮ったものです。

そうそう、銅板の形はうまく電池が収まるように、カットアンドトライ。
隣どうし接触しないよう必要最小限の大きさに銅板を切り、張り付けも気を付けます。
そして、出っ張りとかは何もつくっていない真っ平らな板のままです。

電池の+極も−極も、真っ平らな面に、ネジの締め付けとゴムの弾力で
ばりばりに接触していて、接触抵抗がこれ以上ないほど小さいと思います。
接触不良のトラブルは、これを限りにさよならです。

注)この電源の電池は、DiMAGE7などで一度使った電池1.2Vを5本使用するのです。
私がよくやるのですが、5本目がないときは中古のアルカリ電池でも大丈夫です。
フル充電の1.4Vではありませんので、お間違えのないように。
また、電池を装填するとき極性を間違えないように。
出力端子のプラスからに順に入れていくとよいです。
引き出しの電極板のちかくのエポキシ柱にプラスとマイナスを
マジックなどで書いておくと良いでしょう。
プラグの中心極がプラスであることをテスターで確認すること。
電池の状態で、電圧が6Vを越えるときがありますが、
7,8Vを越えても問題ないという報告があります。
ただ、6Vを越えるとカメラ内部のDC−DCコンバータが作動し始めて
ちいさく「チー」と鳴きます。
※DC−DCコンバータはいたるところで使われています。
たとえば、低い電圧の電池で高い放電電圧を必要とするストロボによく使われていますから
その鳴き声はよく知っていますね。音は、スイッチング・レギュレータ間のうなり共鳴音です。

2.試用レポート

DiMAGE7iに入れて置いた電池が警告モードに入ったところで、新型5本直列にいれた。
もう1本が適当なものがないので、例によってアルカリ電池で代用。
撮影は500万画素エコノミーで全て撮ることにし、公園の花や虫をストロボも交えて撮る。
130枚撮ったところで、まだ電池マークは真っ黒
こりゃー天気もいいし、もう少し本格的に撮ろうってことで海に出かけた。
このときテスターでチェックしたところアルカリ電池が1.2Vになって切れたので1本だけ交換。
ニッケル水素4本は1.2V以上あったので、そのまま。
で、結局280枚撮れました。
完全に切れた電池ではないものからスタートしたことを考慮に入れても
すんごい撮れたね!

その中から4枚ピックアップ

LEMON.JPG - 53,586BYTES


PINK_TUBAKI.JPG - 48,441BYTES


SAND_BEACH.JPG - 38,503BYTES


TURUGI.JPG - 60,476BYTES

撮影はすべてスタビライザー装備、ビビッドカラーで円偏光フィルター、DigitalEffect補正はなし。
露出だけ-0.3からー0.7に落としている。

ネジで締め付けるってのは、きわめて取り扱い易い。
ポケットに入れて撮るんですが、接触不良になることは皆無です。
旧バージョンではその辺がデリケートでした。

まだ1回だけの結果ですが
好調な滑り出しといって良いでしょう。
かなりネジを締めても外して銅板を見ると真っ平らのままで変形してません。
真っ平らですから表面のメンテナンスも良いしな。
大成功!

このアイデアをペア電源に応用することに決定

その他

ちょっとしたメンテナンス

電極の銅板を研磨剤でピカピカにしたら、良いですよ〜。
ピカールとかクレンザーを布に付けて、コキコキやるんです。
うれしくなるほど光ります。そのあと、CRC5−56でも塗っておきましょう。
(酸化防止にはゴムを溶かさない油なら何でも良いでしょう。スケート・ブレードの防錆剤はどうかな)
ふたたび、酸化皮膜が出来て光りが鈍くならないように。
注)油膜はあっても導通します。

極板の素材について

銅板は酸化銅CuO(茶褐色になる)、その他の素材では、銀板は酸化銀Ag2O(黒くなる)ができたら接触不良のおそれ。
金と白金でつくれば永遠の輝き。でも貴重品となる。アルミニュームは酸化アルミニュームが硬すぎて絶対ダメ。
トタン、ブリキ、鉄板はもってのほか。(でも、電池の負極をかねる容器は鉄合金にニッケルメッキですが。)
じゃあ、いっそのことニッケル板では。…売ってないぞ!それに、電気抵抗は大きいぞ。

電池の温度特性について

電池は化学反応で電気を作ります。したがって、寒いと内部抵抗が大きくなります。
理屈はペア電源に詳しく書いておきました。
切れたと思ったら、しばらく暖めて静養させましょう。すると2割ほど復活します。
水素吸蔵合金の奥に入ってしまった水素が出てくるからです。
起電力は極板付近のイオンでつくられて、
拡散(分子どうしが衝突を繰り返して進む現象で温度依存性は1乗(比例する))
で反応すべきイオンなどが入れ替わりますから
拡散速度が伝導率をもたらします。よって、高温ほど移動が速くなり、内部抵抗が小さくなります。
つまり、電池の持ちがよいのです。ニッケル水素はとくに寒さに弱いようです。
最近、めっきり寒くなり、持ちが悪くなりました。夏場の半分のような感じです。
ちなみに、リチュウム電池はスキー場でもOKです。が!
リチュウム電池は基本起電力が2.8V以上ありますから、単三型はつくれないのです。
(イオン化傾向はリチュウムがカリウムより大きいので高起電圧がつくれる)
リチュウム電池は高いし、満充電で保存すると寿命が短くなるので嫌いじゃ!



そのほかにもいろいろアイデアがあります。

1.ペア並列方式 
DiMAGE7が4Vで動作したという
驚くべき事実を受けて新開発・電池の2人3脚:決定版か?

2.CanonPowerShotPro90IS
がニッケル水素電池6本直列で動いた。

3.ダイオード・ペア 
電源なくなった電池の自動リカバリ
 

BACKB1.GIF - 2,106BYTES