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トラブル相談室

このページも新しい情報を一番上に掲載するスタック方式を採用します。
したがって、章番号は今後負で増大します。

第−4章 インク詰め替え方式の欠陥
【急告】をお読み下さい。
不安定な印刷の原因に対する新解釈を発表しました。
また、その対策法も書いてあります。
この考察は、SHIMADA 様からのご相談『インクボタ落ち』から生まれました。
2005.8.5

第−3章 エア気密漏れの簡単な発見法

M.Honda様からのお便り

カートリッジの空気漏れを効率よく解決する方法を発見しましたのでお知らせします。
私はカートリッジに真鍮パイプ刺した後、ホットボンドで止め、チューブをつなぎ
さらにその上からホットボンドを重ねて盛りました。
しかし、7色のうち6色が空気漏れ。
原因はカートリッジと真鍮パイプの間から漏れていることが分かり、
ホットボンドをさらに盛りましたが、なかなか空気が止まってくれません。
そこで考えたのが、HPにあったシアン・アクリレートの接着剤を利用した簡単な空気
漏れを解決する方法。
まず、カートリッジを空の状態にして、中を注射器で綺麗に水洗いする。
空のカートリッジの真鍮パイプに30センチ位のチューブをつける。
カートリッジを水の中に入れてチューブを口にくわえ、空気を送る。
そうすると、どこから空気が漏れているのかすぐに分かります。
どこから空気が漏れているか分かったら、その部分にアロンアルファを1滴。
くわえたチューブから少し空気を吸うと、表面にあったアロンアルファが空気の漏れている場所から
中に浸透していき、水と反応して空気漏れが解消されます。
見た目は少し汚くなりますが、確実です。
あまり吸いすぎると、接着剤が口に入ってとても危険なので、ほんの軽くです。
接着剤が少し中にしみこむか、しみこまないかぐらいです。
私はこの方法でやったら空気漏れは完璧になくなりました。


M.Honda様に拍手!感謝!

第−2章 永久チップと廃タンクエラー

このページを開いた方が1万人を超えました。凄いことです。
連続供給にBBSを設けていないので、どんなトラブルが起こっているかはわかりませんが、
ただ、トラブル相談のメールから判断するに、黄色のカビによるヘッド目詰まりと
最近急激に耳に入るようになった廃タンクエラーが多いようです。
これは、今のところ残念ながらメーカー送り以外は解決策はありません。

PM−980Cを買ってから、
連続供給システムに切り替えたとたんに、まず印刷がおかしくなりました。
どうやら、永久チップが原因のようです。
まず、印刷の輪郭がギザギザになり、使い物になりません。
そして、ギャップ調整がおかしいのかと思い、ユーティリティに入って調整しようとすると
まったく調整が効かず余計に狂います。
そんなことをやっているうちに警告が出て、しばらくすると廃タンクエラーが発生し、全く印刷が出来なくなります。

それで、

【急告】
を書きましたが、
その後海軍爺様のところでも永久チップを使用していた最新プリンター2台に
廃タンクエラーが発生し、修理に出したそうです。他の方からも同様の報告を受けております。
どうやら、永久チップを検出して、エプソンは妨害を始めたものと断定いたします。

対策としては、リプログラマでチップをリチャージして使います。
詰め替えの手間からすれば、リチャージはたいしたことはありません。

【重要】

第−1章ヘッドクリーニングの要領

カートリッジ交換時にはインク交換ボタンを押して所定の位置に移動し
交換後、再びボタンを押してヘッドを戻すと、
交換したヘッドのみクリーニングをします。
この性質を利用して、出の悪いカートリッジをクリーニングするときは
カートリッジをちょっと浮かして、また嵌める操作をしてやるといいようです。
これは、
インク流量計測器の作成者本吉様が発見しました。
これにより、全く問題のない色のヘッドクリーニングによる無駄撃ちが無くなります。
お試しください。本吉様に感謝!

【重要なお知らせ】
※PM−950Cの機種については、
現在でもポンプユニット不良交換のリコールを行っているようです。
http://www.epson.co.jp/osirase/osirase00_3.html#dial


第0章.ヘッドクリーニングによるインクの消耗

トラブルと云うほどのことではありませんが
印刷不調時に何度もクリーニングをすると
インクがポンプユニットにぐびぐび大量に飲まれます。
どうも1回のクリーニングで
A4印刷の3、4枚分ぐらいいくような感じがしてきました。
以前は1,2枚分ぐらいかと思っていましたが、もっといきます。

インク流量計測器

の結果、機種によって違うようですが、0.4cc〜1.6ccぐらいの範囲で減ります。
ですから、インク詰め替えや連続供給でかすれやカラーバランスの調整に手こずると
ばんばん無くなり、何のための詰め替えなのかと不信感を抱きかねません。
それから
プリンタの電源を入れっぱなしにしてパソコンと連動していると
起動のたびに、印刷をしようとしまいと、ヘッドクリーニングをしますから
インクはがんがん減ります。
連続供給といえども、気になりますね。
もっとも、起動時のインク消耗量は0.07cc〜0.1ccぐらいと一桁小さいのですが。

PM−800Cを別な場所で文書印刷だけに使っておりましたら、
こちらは、電源連動スイッチで入れっぱなしにしておりましたから
起動のたびにヘッドクリーニングを繰り返し、
1度もカラー印刷をしないうちに、
カラーインクを全部ポンプユニットに只で飲まれてしまい
点滅、印刷ストップとなりました。なんちゅうことやねん。
不注意でしたね。




ここで中断
※起動時のヘッドクリーニングは仕様です。

また、一連の苦情「エプソンはインクで儲けているのではないか」についての
私の解釈を一応述べておきましょう。

【私の見解】

@インクで儲けるのは当然で、エプソンのやり方はなんら問題ありません。
高いと怒るのは不当です。そう思ったら、買わなければいいのです。
Aなぜ、連続供給にしないかは、これもカビ対策だと思います。
一般的に連続供給が広まったならば、メーカーは不測の事態に対応できません。
だから、ある程度の区切りをつけて新鮮なインクを供給する
現在のカートリッジ方式をやめるとは思えません。
B最高の印刷をしてくれるのは純正インクです。
プリンタのドライバはインクと紙の両方にぴったり合わせてできております。
だから、当然です。
他のインクや紙を使った場合、色がおかしくなるのも当然です。
Cただ、純正インクは高いです。高過ぎます。けちな私には耐えられません。
それと、創意工夫がたまらなく楽しいです。

これらはエプソンを使い、いろいろ研究した結果到達した境地です。
結論的にエプソンは良心的なメーカーであると思います。
(注意:何ら圧力がかかったわけでもなく、現在のしみじみ思う心境ですよ。
正直、この1年間何も、1度たりとも外圧らしきものはかかってきません。
来るのは、同じく連続供給にチャレンジされて、成功された方々の感謝のメールだけです。)
エプソンには
PM−950Cの機種リコールを未だに続けていることに感動しました。
わたしもやって貰いましたが、全く親切な対応で感激です。
底の方に敷いてある3枚の厚いフェルトまで新品に交換してくれました。
その他不具合を全部直してくれました。
なにより
写真印刷をさせたら最高です。
こうしたことを踏まえて

再び本論開始

(最近、私もプリンタを新調しましてPM−980Cにしました。
連続供給にしましたので、これからの情報にご期待下さい。)
これによるA4印刷1枚で減る量は微々たるものです。
プリンタの電源は、印刷をするときだけ入れるようにした方が良いですね。
私は、システムの電源を、使わないときは、
かみなり等の不慮のサージ電流でパソコン等の故障を恐れて
全部元スイッチで切ってしまうので
プリンタも一緒に切れておりましたが、プリンタ電源は
独立すべきであると、どこかに書いてあるのを思い出しました。
プリンタは終了処理をしてから切れるので、コンピュータと連動しておくと
その処理をせずに強制的に切れてしまい
ヘッドの不具合を起こすことがあるそうです。
印刷が終わったら、コンピュータを切る前に、プリンタの電源を切った方が良いです。
そして、なるべく印刷はまとめて多量にやることを心がけると
最小限のヘッドクリーニングで済みます。
ランニングコストがよくなりますよ。

トラブルは大きく分けて三つに分けられます。

@加工上のトラブル
Aヘッドの不調
Bインクのカラーバランス

このページでは主にAとBの深刻な場合について扱います。
カラーバランスについては、
最近の対策では
黒と青の煮詰める技術が発見されましたので
まずは、この方法で対処します。
そして、またダークイエローについてはブラックを少し入れる裏技で対処します。
最後に
水割り・カクテル理論で微調整して下さい。


第1章.ヘッドの詰まり

──ある色が全く出ない──

この症状は、「インク詰め替え」や
「連続供給システム」をやっているときに起こると、
精神的にかなりショックだと思います。
しかし、原因はヘッド側のインクを飛ばすミクロン・ノズルの先端か中に

@インクが乾いて固まった
通常、プリンタ・メーカーが想定するところの現象でこの症状は軽微です。
インクの固まったのは知れております。
起動時の軽いクリーニングでポンプ・ユニットで引いて濡らせば落ちます。

A完全にエアが入った
ピエゾ素子がいくら叩いても、
液体のインクではなく固体のインクか真空を叩くことになる、空振り現象です。
それで、液体インクは途切れて、タンク側から連続して引くことができなくなります。

Bピエゾ素子周辺の異物の堆積による目づまり

のいずれかです。

決して、あなたのチャレンジ精神が悪いのでも、取り扱い上のミスでもありません。
強いて云うなら、ちょっとばかし運が悪いのでしょう。
@、Aなら解決法は、簡単です。

【対処療法】

出なくなった当該カートリッジのインクを注射器に入れて
ヘッドのインク取り入れ口(黒い棒の突起物:ツブツブが見えるやつ)へ
注射器の先端に密閉とノズル先端を保護するための
1.5cmから2cmほどに切った3mmシリコン・チューブを付けて、
KABI_TYUSHAKI.JPG - 23,856BYTES
ノズルに差し込みます。うまく結合したら
初めはゆっくり押し込みます。
もし、インクが入っていけば成功です。
やったー!超簡単。

インクの通路はエアではなくインクで満たされて修理完了。
ヘッドの下のスポンジなどに押し出したインクが垂れております。
このまま印刷すると紙が汚れることがありますので、クリーニングをして下さい。

もし、かなりな抵抗でインクがさっぱり入っていかないときは
戦いは第2ステージに突入です。
ヘッドの先端でインクが乾いて固まり、
出口を塞いでいるか、ピエゾ・シャッターに
異物が引っかかっているかどちらかです。
いずれにしても、このときはひたすら強く吸引してやります。
KABI_RELEASEL.JPG - 43,563BYTES
強く引きますと注射器の中は
真空に近い(その温度の飽和水蒸気圧:約20hPa)ぐらい
になって、下の写真のようになります。
ここでパッと離すと勢いよくピストンは下に落ち
軽い衝撃で振動とともに目詰まりした異物を外します。
ただし、シリコンチューブが短いと注射器の先端がヘッドノズルの先端と衝突し
つぶつぶの形状がつぶれてしまいますから、
ある程度長いシリコンチューブを付けた方が安全です。
あまり、長いと差し込みにくいですから、その辺は加減して下さい。
KABI_PULL.JPG - 36,718BYTES
これを繰り返している内に、
引いたときに細かい泡がたくさん上がってくるようになれば希望が見えてきました。
この処置をしているときは、決して押しません。
何回か繰り返す内に、引かれて出てきたインクと汚れで下の写真のように
注射器の中の水は汚れてきますから捨てます。
KABI_HAIEKI.JPG - 33,829BYTES
また、真新しい綺麗な水を入れて、同じことを数度繰り返すと導通するでしょう。
そうなったら、また、綺麗な水を入れて今度は押し込んでみます。
これで、水が抜けていけば大成功!
注射器にインクを入れて押し込み充填して、使用可能となります。
おめでとうございました。

もし、かなり難渋してから開通したときは
カビが繁殖していた模様ですから、その時は
何度か確かめて、軽い圧力でも水が抜けるようになってから
一度、消毒のために塩素入り漂白剤やキシレンなどの細菌類を殺す液を作って
注入して、一晩寝かし、滅菌します。
ついで第4章を熟読して下さい。



第3章 .
エア混入による印刷不具合

連続供給編

(1)カートリッジへのエアの混入

ア.カートリッジとゴムチューブの接合部パイプの接着剤のはがれ

ヘッドの動きによって、特に両端に行ったときに
チューブの長さが足りないことでカートリッジが引き上げられたり
上部クリアランスが足りないときプリンタのケースに当たって力が加わり、
パイプとカートリッジとの間の接着が剥がれます。
元々、接着剤がどちらか1方に対して接着し難い性質があるとき、
付けた当初は良いのですがしばらく使っていると、いずれ剥がれます。
したがって、
RENNZOKU_HEAD.JPG - 61,995BYTES

のように、完全にホットボンドでパイプを埋め固めましょう。
かつ、更にそれらのチューブを1箇所に集めて固定すると万全です。
二つの意味で入間市のA.K.さんの作例は模範的です。

※カートリッジ上部の適当な場所に、
中心から外れないようにメインタンクへ向かってしっかり穴(径3mm)を開けて、
うまく2重に壁を貫くことで、少し離れたパイプの2点をしっかり固定します。

イ.シリコンゴムチューブは使えません。
http://www.getos.co.jp/jp/overview/technical/hcr.html
上記の特徴(8)よりガス透過性に特徴があります。
☆シリコーンゴムは有機ゴム・プラスチックに比べて、極めて大きなガス透過性があり、
各種ガスに対して選択的透過性を示します。
この性質が大きな製品では、チューブ自体にエアが通過するらしく
注射器で加圧してやると、水につけた状態では細かい気泡がチューブ表面にできて、
気密が破れていることがわかります。
このようなチューブを使用した場合、まずチューブ内壁に小さな気泡が生じ、
それがヘッドのインク飲み込み動作時に下へ移動し、カートリッジに入ります。
いったん入ったエアは合体して大きな気泡に成長し、ちゃぷちゃぷ言うことになります。

(2)ヘッドノズル差し込み口でのエアの混入

(1)のア項とおなじ原因で、カートリッジがしっかり差し込まれない状況が生まれると
ヘッド側のインク吸入ノズル(黒くて先端にツブツブの見える棒)が
カートリッジから少し抜けた状態となり
インクが途切れ、エアがヘッドへ入っていきます。
印刷を続けたりヘッドクリーニングをすると、あっという間に、
ヘッドのピエゾ素子を含めた全ての通路にエアが入り、
一端こうなると、密着が回復しても、
もはやインクはカートリッジから引きずり下ろすことはできません。
ピエゾ素子がインクではなくエアを叩くからです。

(3)空気通路の封印で、カートリッジの横がホットボンドで過剰に盛り上げておくと
差し込んだときに、カートリッジが傾き、やはりノズルが少し抜けた状況になります。
(2)とおなじ結果を生みます。 
したがって、
※封印箇所はカートリッジ下部のインク注入孔の奥の穴を塞ぐ方法が良いでしょう。

インク詰め替え編

連続供給システムにおける(3)と同じことが、詰め替えカートリッジで起こる可能性があります。
それは、カートリッジ下部のインク注入孔に貼るアルミテープがめくれて重なったりすると、差し込みが少し浮きます。
これで、ノズルが抜けるとエアが混入するでしょう。極力純正カートリッジと同じ形状を保つ必要があります。
海軍爺様の「インク77」
Daiko(株)
グループで売っているバージン・カートリッジは
そのような難点をクリアした製品で、エアの問題が回避されております。
ぜひお試し下さい。
ただし、海軍爺様のHPにも書いてありますが
インクタンクの設置位置が高すぎると、逆流防止弁等がないので
重力により、ヘッドノズルから漏れてインクが下に落ちます。
この場合、インクタンクの液面はヘッドの噴射面よりやや低い位置が適当のようです。
また、カートリッジの弁の具合によっては、純正カートリッジを加工したものでも
下に抜ける事故があるようです。

私も、黄色が抜けたことがあります。
この事故で気が付いたことで重要な事柄がありますので
今後、検討していきますが、

第4章 インク中に発生したミズカビの問題

インクは長いこと使用しない状態を続けると
ミクロンノズルを通過しない大きさの異物を生成する可能性があります。
カビの発生です。抜けたインクのタンクの下方に
細かいもやもやが見えました。
このもやもやはペットボトルなどに水を長期保存するときに必ず起こるアレと同じようです。
肉眼で容易に見えます。水道水の浄化器を通過したクリーンと思える水ですが
ポリタンクに入れておいたものの中にも発生しました。
顕微鏡で見てみると比較のために入れた髪の毛のふとさの
1/100ぐらいの胞子らしき丸い粒子をはじめ、糊状に集合したコロニーが発生しております。
目詰まりを直す処置の注射器による強制注入で、水は通過して問題がないのに
ミズカビの発生したインクを入れようとすると堅くなり注入できません。
明らかに通過できない異物が混入しており、ミクロンホールに引っかかったようです。
2ピコリットルの噴射をするノズルの大きさは10ミクロン程度と計算されます。
髪の毛の太さは0.2mmぐらいですからそれの1/100とすると
20ミクロンとなります。これでは詰まります。
問題は、これが少しでも目詰まりを引き起こすことです。
現時点で黴の発生しているインクはイエローだけです。

【点検方法】

インクタンクを傾けて、底の方を見たときに透明で表面張力により
弾けていくようなら大丈夫ですが、
逆にベタベタに濡れて流れないようならアウト!
どうしたらいいの!
「下の後始末について」をお読み下さい。

インクは新しいものを使うべきです。(水もです)
カートリッジのフィルターを経由して供給される、連続供給システムでは
問題ないかも知れないのですが、フィルターを持っていない場合はさらに要注意です。
直接ヘッドノズルに注入するシステムも考えましたが
インクフィルターはそのようなわけで必須です。

いったんミズカビの発生したインクタンクとインクは滅菌と濾過が必要です。
このようなインクはコロイドの通過しないフィルターで丹念に漉す必要がありますが
本格的な濾過は素人には無理ですので、捨てるしかありません。
また、長期間インクを保存するにも、雑菌の発生を起こさないための
保存剤の添加が必要です。
添加にはインクの成分を阻害しないもので、
比較的簡単に手に入るものを、検討します。
いま少し、お待ち下さい。

また、一度黴に汚染されて目詰まりを起こしてしまったヘッドを
クリーンなものに戻すための研究に取りかかります。
このミズカビを殺し、溶かして流し出すことができ、
かつインクの染料を壊さないような薬剤を探してみます。
どなたか、ご専門の方が要らしたら教えて下さい。
インクタンクをクチで吸引したときに雑菌が混入した恐れもあります。
よって、連続供給のシステムを造り上げたときに最初にチューブにインクを導入するときの
口を付けての吸引は、やらないで、
カートリッジの尻から吸引してエア抜きをした方が良いという結論です。
これでも、簡単にインクはカートリッジに導入されて、エアは抜けます。

ちなみに顕微鏡でズーッと見てましたが、動いている気持ちの悪いものは
幸いにもいませんでした。いたら、絶対もうプリンタ毎捨てるね。
口からの雑菌は、考えすぎかも知れませんがね〜。

黴のような生物は至る所におります。(pHや染料などの薬物があってもです)
カビはやっかいな問題です。恐らく、カビとの戦いは古くて長い戦いです。
脳神経にも黴が生えるそうですよ!いやだね〜。
免疫システムがあるので生体中では、阻止されますが
体の弱った人では「日和見感染症」という形でカビが生えます。
ましてやプリンターは免疫抗体を持っていませんから、
インクが滞留するような使い方は危険です。
プリンタを買ったからには、しょっちゅう印刷をして
インクに黴など生えないようにしましょう。

【 後始末について 】

黴の発生したカートリッジやヘッドは、中性洗剤を入れたお湯で、繰り返し「浣腸」します。
方法は、ゴムチューブを1cmぐらいに切り、注射器に付けます。
そうして、ヘッドノズルに取り付けて押し込んだり抜いたりします。
これを繰り返し最後は抜きますと、カビは注射器の方に抜けて取れますから吐いて捨てます。
この処置を10回もすると、ヘッドのミクロンホール全てから
極めて細い水流が放射されるようになり目詰まり洗浄は終了です。
カートリッジやゴムチューブも消毒する必要があります。
あるいは、きっぱり廃棄処分ですね。
私は、皆さんのために人柱となって、あえて使い続けてみます。
大量にあるインクは、どうしましょう。もったいないですね。
一応、沸騰させてから濾過してみようと思っています。
どうやら胞子はサイズ的にフィルターもヘッドのミクロンホールも抜けそうですから
肉眼でも見えるほどの菌糸状のコロニーだけ取り去ればいいかなと。
熱湯消毒しておけば、胞子は死んで問題ないかなと思い始めました。
これが、甘い判断かどうかは今後の報告をお待ち下さい。

KABI_ROKA.JPG - 88,830BYTES

上の写真をよくご覧下さい。
まず、見えているものを説明します。
一番右端が保存していたポリ容器、次が浄化水道水の補充器、
ビールの空き缶を上部ハサミで切り開いたもの(これでインクをガスに掛け弱火で煮立てました。
注射器の先端に注目!、このような長さのゴムチューブを取り付けて、ヘッドノズルに押し当てます。
濾過台と漏斗、濾紙などの濾過装置
これらは皆、東急ハンズなどで売っております。
濾紙も色々なグレードがありますが、使用したものは中程度のものです。
連続供給システムとして造り上げたカートリッジとポリタンクが下に見えますが
ポリタンクに滴下してきたインクは目視で極めてクリーンになりました。
写真でポリタンク内に見えるもじゃもじゃはホットボンドです。
左にちょっと見えるプリンタはPM−950Cで、
ちらっとCD−ROM円盤に乗せたインクタンクの並びが写っております。

次に、今回色々試みた実験項目について列挙します。

【実験】

@ インク経路全体のクリーニング
(ヘッドノズルおよびカートリッジ、ゴムチューブ、ポリタンクなど)

A インクを沸騰させて、カビ胞子等の滅菌をこころみること。

B 煮沸したインクを濾過する。

C インクを煮詰めて、薄めたインクや薄いと思われるインクの濃度を上げる

【細部説明】

@ クリーニング

洗浄液として、ポットで湧かしたお湯に
中性洗剤とハイター(塩素系殺菌剤として)をコップ一杯ほど作りました。
これを写真にある注射器で、まずヘッドノズルの浣腸をします。
詰まったノズルははじめ押しても入っていきませんから吸入しながら、
だましだまし液を押し込んでいきます。
最後は強く大きく吸引して、詰まったものを全て吸い出します。
はじめは、汚れたイエローインクが出てきます。
そのうちに、この処置を繰り返すとだんだん透明な洗浄液だけになりますから
適当なところで、押し込んだ状態で作業を終了。
これはインク経路にエアでない液体を充填するためです。

つぎに、カートリッジからゴムチューブ、ポリタンクまでのインク経路の洗浄です。
この作業は、先端に何も取り付けない注射器でカートリッジのおしりに差し込み、
ポリタンク側にお湯となっている洗浄液をいれて、
カートリッジ下部からひたすら吸飲廃棄していきます。
ポリタンクの洗浄液は2回やったら補給します。
底まで吸飲してはエアが入りますのでこまめに補給を。
これも、イエローインクが完全になくなるまで、しつこくやります。
最後は、すっかり洗浄液を抜いておかなければいけません。
(私はつねに人柱実験なのである程度の不完全な段階でやめます。
不測の事態やどの程度で良いのかを知るためです。)

A インクの沸騰は、アルミ缶を用いました。
沸騰すると、結構泡立つので少量しかやりませんでしたが
結構上の方まで泡飛沫は上がってきます。深い容器の方が良いでしょう。
沸騰を初めてから5分ほどもやれば充分です。
※なお、この処置を更にすすめるとインクを煮詰めて濃くする事ができます。
色は全く変わりませんでした。
これは重要です。

B 濾過は意外と容易でした。
すぐには落ちてきませんで、最終的には一晩掛けて朝に完遂しました。
1時間もすれば、20ccの容器に一杯になりますので、直ちにカートリッジへの詰め込みが可能です。
 

以上で全てのクリーニング、およびインクの再生は終了です。


【結果報告】

このようなカートリッジとヘッドノズルの浣腸処理をすると
ヘッドの電子制御基板が濡れて誤作動を起こすようで、乾くまで1日2日掛かりますので
正常化した状態でのテストをまだしておりませんが
直後の試験で、黄色は無事復活しました。

見たくないかも知れませんが、下の写真が濾過せずに残ったカビの全容です。
KABI_UP.JPG - 26,040BYTES
夜の10時頃から初めて、翌朝見るとこうなっていました。時間は掛かりますが
濾過したインクは透明度が高くクリーンです。

C 薄いインクを濃くする裏技

このカビ顛末で、思わぬ拾いものがありました。
ブラックとシアンを濃くすることが可能です。
インクはいくら煮詰めても、色は全く変わりませんでしたので
薄いといわれるインクをいくらでも任意の濃さに調整できます。
ただ、インク中の揮発成分である有機溶剤系は補充しないといけないでしょう。
また、単純に濃くするだけでは逆にノズルからのインク吐出量は減るかも知れません。
なぜならば
、粘度がまし、表面張力も変わるからです。
この辺りは今後の課題です。
とくに、アルコール類の添加やグリセリン添加は表面張力を下げるので、重要です。
また、表面活性剤の添加が有効であるとも考えております。
黴防止剤については未解決です。
(以下の通り解決しました。)



カビ対策

カビの防止には銅の合金が有効であることがわかりました。
銅などの遷移金属表面における触媒作用で、
カビなどの細菌のタンパク質合成過程を阻害するメカニズムが従来から
知られており「銅壺の水は腐らない」という教えが古来からありました。
台所の生ゴミ入れ容器に、抗菌をうたった銅網製の高級品があるそうです。

したがって、連続供給システムの本編の中で述べられていますように
これからは極力、真鍮パイプを多用して下さい。
また、直接的にはキシレンなどの毒性の強い有機材を一滴垂らしておくことが
カビ発生に有効だそうです。

11月29日(土曜日)

追記:キシレンなどは一般的には薬局などでは買えません。そこで、
Naoki_Uno様より貴重なアドバイスを頂きましたので
ほとんど、そのままご紹介させていただきます。
2005.7.7

『1つ目
防腐剤の件ですが、
生物に対して抗菌作用が強いのは、
ホルマリン(ホルムアルデヒド)です。

しかし一般的ではないので、
手元に入りやすいものとしては、
メチルアルコールや、アセトンはいかがでしょうか?
メチルアルコールは燃料用アルコールとして、
アセトンは、除光液に含まれています。
ともに、親水性の強いので、水や他の溶剤の影響は受けないと思います。
カビ防止のためなら、ほんの2〜3滴で十分ですので、いかがでしょうか?

2つ目
真鍮のパイプが防カビに効果的とあったので、
こんなアイディアはいかがでしょうか?
「電線の切れ端をタンクに入れておく」
導線のほとんどは、99.9%純銅です。
いらなくなったコードの切れ端を入れておくと、
効果が期待できるかもしれません。
・・・かもしれないと書いたのは、
液体の成分によっては、緑青(ろくしょう:銅のさび)を発生するかも

3つ目
真鍮のパイプを曲げるときに、
中に針金を入れて曲げるとあったのですが、
曲げた後抜くのが大変で、こんなアイディアはいかがでしょうか?

パイプの中に水を入れて凍らせておき、
解ける前に曲げてしまう。

曲げた後は、水になって吹けばなくなったしまう・・・
実は、金管楽器の真鍮パイプを曲げる工程にヒントを得ました。

以上です。

追伸
EPSONの純正インクのみ、真鍮のパイプに
「おりもの」のような不純物が析出するとありましたが、
鉄が析出したのかもしれません。
真鍮は銅と亜鉛の化合物ですが、
亜鉛と鉄のイオン化傾向の違いにより、
亜鉛がイオンに溶出し、鉄が析出した可能性があります。
塩化第U鉄など水溶液が黄色だったかな〜なんて
懐かしく思い出しました。』

3つとも、すぐに実行しましょう。
特に最後の水を入れて凍らせたパイプ曲げの裏技は
大変気に入りました。



第5章 
インク詰め替え時の手の汚れ
最後に、ちょっとした雑記
.

インクの詰め替えは手がどうしても汚れますが、私の裏技を一つ紹介します。
海軍爺様は親切にも、詰め替えの後の手の汚れを落とすには、頭を洗えと書いておられました。
ようするに、風呂に入れば結構落ちるのですが、詰め替えるたびに風呂に入り、
頭を洗うわけにも行きませんので、考えました。
洗濯用のハイターの原液で洗うと、嬉しくなるほど色は消えます。
その直後に人前に出るときや、急ぐ場合に有効です。

ただし、一つ欠点があるので念のために書き添えます。
塩素の匂いがかなり残ります。
だから、見た目に綺麗になる必要があるときにだけやりましょう。
この匂いには私自身かなり閉口しておりますので
つぎは、塩素を中和する化学的手段を開発しなければいけません。
なにが良いですかね。


【画期的効果】
このHPに寄せられたSimizu様(お寿司やさん)より耳寄りな情報です。
「酢で洗うと完全に塩素の匂いが消えます。」
やってみましたが、本当に瞬時にハイターで洗った後のぬるぬるも消え匂いは消滅。
素晴らしい効果です。ありがとうございました。みんなでSimizu様に感謝!
6月3日深夜

さらに、付け加えると、6項のPM−800Cの詰め替えでは、
インクの吐出孔から直接注射器で注入できますので
PM−950系のカートリッジほど手は汚れなかったことを強調しておきましょう。
全くと言って良いほど手を汚さずに詰め替えられます。

PM−950系のカートリッジで、何故手が汚れてしまうかというと
カートリッジの注入孔に両面テープを貼り
アダプターをつけてから注射器を差し込みますが、
この両面テープの接着面がどうしても不十分になるので
インクがそこから漏れることと、そこを剥がし、シールを貼る作業の途中で
どうしてもインクに手が触れるのです。
かといって、うすいビニール手袋をして作業すると、両面テープに手袋が粘着し、
剥がそうとすると手袋はやぶれ、役に立たなくなります。
てなわけで、私は素手で詰め替え作業をするので汚れるわけです。
その他、この詰め替え作業は複雑で手間がかかるために
色々な事故が起こり、インクがこぼれます。
それをテッシュ・ペーパーで拭き取るときにも手が汚れます。
特に、シアン系とブラックなどの汚れは
本来人間の手にない色ですので目立ちます。
如何ともしがたいことです。
そんなこんなで、連続注入法式を検討しております。

ひとつだけ良さそうなアイデアがあります。
あらかじめ手にワックス系の油をコーティングしておく方法です。
爪には蝋(ろう)を詰め込んでおくといいでしょう。
あるいは、ニベアを塗っておくのが良いかな。
そうすれば、インクの汚れは皮膚に直接つきませんので
あとは油等を石けんで落とせばよいかな、と思っております。
ただし、まだ試しておりませんのでアイデアだけです。
そのうちに結果を報告します。
追記
この記事を読まれた方から
「グローブ使っての手袋の破れについては、
テープの粘着強さがさほど出なくて良いなら、傷用のバンソウコウの粘着力なら
破れませんよ。油手に塗っての作業で差し支えないなら、グローブの上からワセリン
つけて作業するのが良いと思います。HCでよく売っているビニールグローブがよいでしょう。」
というアドバイスを戴きました。
本当に感謝いたします。

あれから2年の歳月が…
その後のインク汚れ落としの技術はどうなったか。
1 インクの詰め替えなどをする前に、手に油性クリームを塗るアイデアはグッドです。
この処置をした場合としない場合では、手の荒れなどで大きな違いをもたらします。

この最後の部分に関しまして、
更にNaoki_Uno様より
詳しい分析を頂きましたので、ご紹介させていただきます。

【なぜ色が消えるか】

『一般的にキッチンハイターの主成分としては、
「次亜塩素酸ナトリウム12%」と、洗浄用の「界面活性剤」だと思われます。
他にも微量ながらいろいろな物質が添付されています。
この主たる成分である「次亜塩素酸ナトリウム」ですが、
わかりやすくいうと、非常に濃い「水酸化ナトリウム」に塩素ガスを溶かし込んだものです。
一般的には、カビキラー、漂白剤、プールの殺菌剤、キッチンのヌメリ取りなどに利用されています。
当然、アルカリ性下で塩素を溶かし込んでいますので、
酸性(塩酸:トイレの洗浄剤など)と出会うと塩素ガスを放出し、
密室での塩素ガス中毒死を招きます。
なので、
キッチンハイターの効能ですが、
塩素系の働きによる「漂白」よりも、
むしろ水酸化ナトリウムによる、皮膚の溶解の方の作用が強いと思われます。
(強アルカリによるたんぱく質の溶解)
また、界面活性剤による洗浄も効果的なのかもしれません。

その後の「食酢」による中和が効果的なのもうなずけます。
ハイターによるヌルヌル感は、
じつは皮膚表面のたんぱく質が溶けはじめている兆候ですので、
度重なる使用はご注意下さい。
溶解が真皮まで進み、指紋がなくなったり、やけど状態になります。
染料色素はたんぱく質と結びついた状態で染まるので
他の汚れを落とす(剥離する)ようには簡単に落ちないわけです。
ハイターを原液のままではなく薄めて使ったとしても、
その後のお肌のケアは入念にしましょう。
追伸
よく、裏技で紹介されていますが、
油系のよごれは、油で落としてから
石鹸で落とすと楽に落ちると云われております。
たとえばタールのような汚れは、
「サラダ油」をすり込んでペーパータオルでぬぐってから
石鹸で手を洗うと肌荒れも少なく、汚れ落ちも早いそうです。

というわけで
ワセリンなどで皮膚を保護してから染料を扱うと、
皮膚に染み込まずよいかもしれません。』

Naoki_Uno様、有り難うございます。

ハイターを付けるとほとんど瞬時に消えるので、
すぐに水洗いし、酢で中和しましょう。


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