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光学の杜
トラブル相談室
このページも新しい情報を一番上に掲載するスタック方式を採用します。
したがって、章番号は今後負で増大します。
第−4章 インク詰め替え方式の欠陥
【急告】をお読み下さい。
不安定な印刷の原因に対する新解釈を発表しました。
また、その対策法も書いてあります。
この考察は、SHIMADA 様からのご相談『インクボタ落ち』から生まれました。
2005.8.5
第−3章 エア気密漏れの簡単な発見法
M.Honda様からのお便り
カートリッジの空気漏れを効率よく解決する方法を発見しましたのでお知らせします。
私はカートリッジに真鍮パイプ刺した後、ホットボンドで止め、チューブをつなぎ
さらにその上からホットボンドを重ねて盛りました。
しかし、7色のうち6色が空気漏れ。
原因はカートリッジと真鍮パイプの間から漏れていることが分かり、
ホットボンドをさらに盛りましたが、なかなか空気が止まってくれません。
そこで考えたのが、HPにあったシアン・アクリレートの接着剤を利用した簡単な空気
漏れを解決する方法。
まず、カートリッジを空の状態にして、中を注射器で綺麗に水洗いする。
空のカートリッジの真鍮パイプに30センチ位のチューブをつける。
カートリッジを水の中に入れてチューブを口にくわえ、空気を送る。
そうすると、どこから空気が漏れているのかすぐに分かります。
どこから空気が漏れているか分かったら、その部分にアロンアルファを1滴。
くわえたチューブから少し空気を吸うと、表面にあったアロンアルファが空気の漏れている場所から
中に浸透していき、水と反応して空気漏れが解消されます。
見た目は少し汚くなりますが、確実です。
あまり吸いすぎると、接着剤が口に入ってとても危険なので、ほんの軽くです。
接着剤が少し中にしみこむか、しみこまないかぐらいです。
私はこの方法でやったら空気漏れは完璧になくなりました。
M.Honda様に拍手!感謝!
第−2章 永久チップと廃タンクエラー
このページを開いた方が1万人を超えました。凄いことです。
連続供給にBBSを設けていないので、どんなトラブルが起こっているかはわかりませんが、
ただ、トラブル相談のメールから判断するに、黄色のカビによるヘッド目詰まりと
最近急激に耳に入るようになった廃タンクエラーが多いようです。
これは、今のところ残念ながらメーカー送り以外は解決策はありません。
PM−980Cを買ってから、
連続供給システムに切り替えたとたんに、まず印刷がおかしくなりました。
どうやら、永久チップが原因のようです。
まず、印刷の輪郭がギザギザになり、使い物になりません。
そして、ギャップ調整がおかしいのかと思い、ユーティリティに入って調整しようとすると
まったく調整が効かず余計に狂います。
そんなことをやっているうちに警告が出て、しばらくすると廃タンクエラーが発生し、全く印刷が出来なくなります。
☆
それで、
【急告】
を書きましたが、
その後海軍爺様のところでも永久チップを使用していた最新プリンター2台に
廃タンクエラーが発生し、修理に出したそうです。他の方からも同様の報告を受けております。
どうやら、永久チップを検出して、エプソンは妨害を始めたものと断定いたします。
対策としては、リプログラマでチップをリチャージして使います。
詰め替えの手間からすれば、リチャージはたいしたことはありません。
【重要】
第−1章ヘッドクリーニングの要領
カートリッジ交換時にはインク交換ボタンを押して所定の位置に移動し
交換後、再びボタンを押してヘッドを戻すと、
交換したヘッドのみクリーニングをします。
この性質を利用して、出の悪いカートリッジをクリーニングするときは
カートリッジをちょっと浮かして、また嵌める操作をしてやるといいようです。
これは、インク流量計測器の作成者本吉様が発見しました。
これにより、全く問題のない色のヘッドクリーニングによる無駄撃ちが無くなります。
お試しください。本吉様に感謝!
【重要なお知らせ】
※PM−950Cの機種については、
現在でもポンプユニット不良交換のリコールを行っているようです。
http://www.epson.co.jp/osirase/osirase00_3.html#dial
第0章.ヘッドクリーニングによるインクの消耗
トラブルと云うほどのことではありませんが
印刷不調時に何度もクリーニングをすると
インクがポンプユニットにぐびぐび大量に飲まれます。
どうも1回のクリーニングで
A4印刷の3、4枚分ぐらいいくような感じがしてきました。
以前は1,2枚分ぐらいかと思っていましたが、もっといきます。
インク流量計測器
の結果、機種によって違うようですが、0.4cc〜1.6ccぐらいの範囲で減ります。
ですから、インク詰め替えや連続供給でかすれやカラーバランスの調整に手こずると
ばんばん無くなり、何のための詰め替えなのかと不信感を抱きかねません。
それから
プリンタの電源を入れっぱなしにしてパソコンと連動していると
起動のたびに、印刷をしようとしまいと、ヘッドクリーニングをしますから
インクはがんがん減ります。
連続供給といえども、気になりますね。
もっとも、起動時のインク消耗量は0.07cc〜0.1ccぐらいと一桁小さいのですが。
☆
PM−800Cを別な場所で文書印刷だけに使っておりましたら、
こちらは、電源連動スイッチで入れっぱなしにしておりましたから
起動のたびにヘッドクリーニングを繰り返し、
1度もカラー印刷をしないうちに、
カラーインクを全部ポンプユニットに只で飲まれてしまい
点滅、印刷ストップとなりました。なんちゅうことやねん。
不注意でしたね。
ここで中断
※起動時のヘッドクリーニングは仕様です。
また、一連の苦情「エプソンはインクで儲けているのではないか」についての
私の解釈を一応述べておきましょう。
【私の見解】
@インクで儲けるのは当然で、エプソンのやり方はなんら問題ありません。
高いと怒るのは不当です。そう思ったら、買わなければいいのです。
Aなぜ、連続供給にしないかは、これもカビ対策だと思います。
一般的に連続供給が広まったならば、メーカーは不測の事態に対応できません。
だから、ある程度の区切りをつけて新鮮なインクを供給する
現在のカートリッジ方式をやめるとは思えません。
B最高の印刷をしてくれるのは純正インクです。
プリンタのドライバはインクと紙の両方にぴったり合わせてできております。
だから、当然です。
他のインクや紙を使った場合、色がおかしくなるのも当然です。
Cただ、純正インクは高いです。高過ぎます。けちな私には耐えられません。
それと、創意工夫がたまらなく楽しいです。
☆
これらはエプソンを使い、いろいろ研究した結果到達した境地です。
結論的にエプソンは良心的なメーカーであると思います。
(注意:何ら圧力がかかったわけでもなく、現在のしみじみ思う心境ですよ。
正直、この1年間何も、1度たりとも外圧らしきものはかかってきません。
来るのは、同じく連続供給にチャレンジされて、成功された方々の感謝のメールだけです。)
エプソンには
PM−950Cの機種リコールを未だに続けていることに感動しました。
わたしもやって貰いましたが、全く親切な対応で感激です。
底の方に敷いてある3枚の厚いフェルトまで新品に交換してくれました。
その他不具合を全部直してくれました。
なにより
写真印刷をさせたら最高です。
こうしたことを踏まえて
再び本論開始
(最近、私もプリンタを新調しましてPM−980Cにしました。
連続供給にしましたので、これからの情報にご期待下さい。)
これによるA4印刷1枚で減る量は微々たるものです。
プリンタの電源は、印刷をするときだけ入れるようにした方が良いですね。
私は、システムの電源を、使わないときは、
かみなり等の不慮のサージ電流でパソコン等の故障を恐れて
全部元スイッチで切ってしまうので
プリンタも一緒に切れておりましたが、プリンタ電源は
独立すべきであると、どこかに書いてあるのを思い出しました。
プリンタは終了処理をしてから切れるので、コンピュータと連動しておくと
その処理をせずに強制的に切れてしまい
ヘッドの不具合を起こすことがあるそうです。
印刷が終わったら、コンピュータを切る前に、プリンタの電源を切った方が良いです。
そして、なるべく印刷はまとめて多量にやることを心がけると
最小限のヘッドクリーニングで済みます。
ランニングコストがよくなりますよ。
トラブルは大きく分けて三つに分けられます。
@加工上のトラブル
Aヘッドの不調
Bインクのカラーバランス
このページでは主にAとBの深刻な場合について扱います。
カラーバランスについては、
最近の対策では
黒と青の煮詰める技術が発見されましたので
まずは、この方法で対処します。
そして、またダークイエローについてはブラックを少し入れる裏技で対処します。
最後に水割り・カクテル理論で微調整して下さい。
第1章.ヘッドの詰まり
──ある色が全く出ない──
この症状は、「インク詰め替え」や
「連続供給システム」をやっているときに起こると、
精神的にかなりショックだと思います。
しかし、原因はヘッド側のインクを飛ばすミクロン・ノズルの先端か中に
上の写真をよくご覧下さい。
まず、見えているものを説明します。
一番右端が保存していたポリ容器、次が浄化水道水の補充器、
ビールの空き缶を上部ハサミで切り開いたもの(これでインクをガスに掛け弱火で煮立てました。
注射器の先端に注目!、このような長さのゴムチューブを取り付けて、ヘッドノズルに押し当てます。
濾過台と漏斗、濾紙などの濾過装置
これらは皆、東急ハンズなどで売っております。
濾紙も色々なグレードがありますが、使用したものは中程度のものです。
連続供給システムとして造り上げたカートリッジとポリタンクが下に見えますが
ポリタンクに滴下してきたインクは目視で極めてクリーンになりました。
写真でポリタンク内に見えるもじゃもじゃはホットボンドです。
左にちょっと見えるプリンタはPM−950Cで、
ちらっとCD−ROM円盤に乗せたインクタンクの並びが写っております。
次に、今回色々試みた実験項目について列挙します。
【実験】
@ インク経路全体のクリーニング
(ヘッドノズルおよびカートリッジ、ゴムチューブ、ポリタンクなど)
A インクを沸騰させて、カビ胞子等の滅菌をこころみること。
B 煮沸したインクを濾過する。
C インクを煮詰めて、薄めたインクや薄いと思われるインクの濃度を上げる
【細部説明】
@ クリーニング
洗浄液として、ポットで湧かしたお湯に
中性洗剤とハイター(塩素系殺菌剤として)をコップ一杯ほど作りました。
これを写真にある注射器で、まずヘッドノズルの浣腸をします。
詰まったノズルははじめ押しても入っていきませんから吸入しながら、
だましだまし液を押し込んでいきます。
最後は強く大きく吸引して、詰まったものを全て吸い出します。
はじめは、汚れたイエローインクが出てきます。
そのうちに、この処置を繰り返すとだんだん透明な洗浄液だけになりますから
適当なところで、押し込んだ状態で作業を終了。
これはインク経路にエアでない液体を充填するためです。
つぎに、カートリッジからゴムチューブ、ポリタンクまでのインク経路の洗浄です。
この作業は、先端に何も取り付けない注射器でカートリッジのおしりに差し込み、
ポリタンク側にお湯となっている洗浄液をいれて、
カートリッジ下部からひたすら吸飲廃棄していきます。
ポリタンクの洗浄液は2回やったら補給します。
底まで吸飲してはエアが入りますのでこまめに補給を。
これも、イエローインクが完全になくなるまで、しつこくやります。
最後は、すっかり洗浄液を抜いておかなければいけません。
(私はつねに人柱実験なのである程度の不完全な段階でやめます。
不測の事態やどの程度で良いのかを知るためです。)
A インクの沸騰は、アルミ缶を用いました。
沸騰すると、結構泡立つので少量しかやりませんでしたが
結構上の方まで泡飛沫は上がってきます。深い容器の方が良いでしょう。
沸騰を初めてから5分ほどもやれば充分です。
※なお、この処置を更にすすめるとインクを煮詰めて濃くする事ができます。
色は全く変わりませんでした。
これは重要です。
B 濾過は意外と容易でした。
すぐには落ちてきませんで、最終的には一晩掛けて朝に完遂しました。
1時間もすれば、20ccの容器に一杯になりますので、直ちにカートリッジへの詰め込みが可能です。
以上で全てのクリーニング、およびインクの再生は終了です。
【結果報告】
このようなカートリッジとヘッドノズルの浣腸処理をすると
ヘッドの電子制御基板が濡れて誤作動を起こすようで、乾くまで1日2日掛かりますので
正常化した状態でのテストをまだしておりませんが
直後の試験で、黄色は無事復活しました。
見たくないかも知れませんが、下の写真が濾過せずに残ったカビの全容です。
夜の10時頃から初めて、翌朝見るとこうなっていました。時間は掛かりますが
濾過したインクは透明度が高くクリーンです。
C 薄いインクを濃くする裏技
このカビ顛末で、思わぬ拾いものがありました。
ブラックとシアンを濃くすることが可能です。
インクはいくら煮詰めても、色は全く変わりませんでしたので
薄いといわれるインクをいくらでも任意の濃さに調整できます。
ただ、インク中の揮発成分である有機溶剤系は補充しないといけないでしょう。
また、単純に濃くするだけでは逆にノズルからのインク吐出量は減るかも知れません。
なぜならば、粘度がまし、表面張力も変わるからです。
この辺りは今後の課題です。
とくに、アルコール類の添加やグリセリン添加は表面張力を下げるので、重要です。
また、表面活性剤の添加が有効であるとも考えております。
黴防止剤については未解決です。
(以下の通り解決しました。)
☆
カビ対策
カビの防止には銅の合金が有効であることがわかりました。
銅などの遷移金属表面における触媒作用で、
カビなどの細菌のタンパク質合成過程を阻害するメカニズムが従来から
知られており、「銅壺の水は腐らない」という教えが古来からありました。
台所の生ゴミ入れ容器に、抗菌をうたった銅網製の高級品があるそうです。
したがって、連続供給システムの本編の中で述べられていますように
これからは極力、真鍮パイプを多用して下さい。
また、直接的にはキシレンなどの毒性の強い有機材を一滴垂らしておくことが
カビ発生に有効だそうです。
11月29日(土曜日)
追記:キシレンなどは一般的には薬局などでは買えません。そこで、
Naoki_Uno様より貴重なアドバイスを頂きましたので
ほとんど、そのままご紹介させていただきます。
2005.7.7
『1つ目
防腐剤の件ですが、
生物に対して抗菌作用が強いのは、
ホルマリン(ホルムアルデヒド)です。
しかし一般的ではないので、
手元に入りやすいものとしては、
メチルアルコールや、アセトンはいかがでしょうか?
メチルアルコールは燃料用アルコールとして、
アセトンは、除光液に含まれています。
ともに、親水性の強いので、水や他の溶剤の影響は受けないと思います。
カビ防止のためなら、ほんの2〜3滴で十分ですので、いかがでしょうか?
2つ目
真鍮のパイプが防カビに効果的とあったので、
こんなアイディアはいかがでしょうか?
「電線の切れ端をタンクに入れておく」
導線のほとんどは、99.9%純銅です。
いらなくなったコードの切れ端を入れておくと、
効果が期待できるかもしれません。
・・・かもしれないと書いたのは、
液体の成分によっては、緑青(ろくしょう:銅のさび)を発生するかも
3つ目
真鍮のパイプを曲げるときに、
中に針金を入れて曲げるとあったのですが、
曲げた後抜くのが大変で、こんなアイディアはいかがでしょうか?
パイプの中に水を入れて凍らせておき、
解ける前に曲げてしまう。
曲げた後は、水になって吹けばなくなったしまう・・・
実は、金管楽器の真鍮パイプを曲げる工程にヒントを得ました。
以上です。
追伸
EPSONの純正インクのみ、真鍮のパイプに
「おりもの」のような不純物が析出するとありましたが、
鉄が析出したのかもしれません。
真鍮は銅と亜鉛の化合物ですが、
亜鉛と鉄のイオン化傾向の違いにより、
亜鉛がイオンに溶出し、鉄が析出した可能性があります。
塩化第U鉄など水溶液が黄色だったかな〜なんて
懐かしく思い出しました。』
↑
3つとも、すぐに実行しましょう。
特に最後の水を入れて凍らせたパイプ曲げの裏技は
大変気に入りました。
☆
第5章 インク詰め替え時の手の汚れ
最後に、ちょっとした雑記.
インクの詰め替えは手がどうしても汚れますが、私の裏技を一つ紹介します。
海軍爺様は親切にも、詰め替えの後の手の汚れを落とすには、頭を洗えと書いておられました。
ようするに、風呂に入れば結構落ちるのですが、詰め替えるたびに風呂に入り、
頭を洗うわけにも行きませんので、考えました。
洗濯用のハイターの原液で洗うと、嬉しくなるほど色は消えます。
その直後に人前に出るときや、急ぐ場合に有効です。
ただし、一つ欠点があるので念のために書き添えます。
塩素の匂いがかなり残ります。
だから、見た目に綺麗になる必要があるときにだけやりましょう。
この匂いには私自身かなり閉口しておりますので
つぎは、塩素を中和する化学的手段を開発しなければいけません。
なにが良いですかね。