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 プリンタのインク詰め替え作戦

1. はじめに

ヒジョーに大切なことにようやく気が付きました。
プリンタのランニングコストは高すぎです!
特にインク代はEPSONのPM−950Cにしてから急にアップしました。
このプリンタは写真印刷をする上では素晴らしいのです。
特にカートリッジが色毎に分離したことは、重要で私はすぐに採用した。
色ごとの交換の重要性とは
特定の色が重点的に消耗する写真を撮ることが多い。
1.青空と海や山を撮る人は、ライトシアンがぐんぐん減る。
2.紅葉を撮り、印刷するとライトマゼンタがぐんぐん減る。
3.シャドー部の多い”芸術的”な写真を表現しようとすると貴重なブラックが大量に消耗される。

とくに、この季節柄重要なのは

4.年賀状印刷は多量に同じものを印刷するのでデザインの関係で一色を特に消耗することが多い。

このような理由で、私は去年このプリンタの購入に踏み切ったのだ。
しかし!なくなった色だけ交換するにしては、カートリッジが高いので
よくよく冷静になって計算してみると
A4の写真1枚を印刷するコストは300円以上することに気が付いた。
(写真印刷ではA4印刷は20枚ぐらいしか持たないように思える。それと紙代も入っている)
さて
カートリッジの色ごと分離はキャノンはすでにやっていたので、キャノンの方がプリンタに関しては
遙かにユーザーの便宜を第一に考えていたのだという評価が急浮上する。
とくに、カートリッジの中のインク量は外から見えて、ヒジョーに好ましい態度である。
それに反して、エプソンはインクカートリッジにインク詰め替えをICチップで阻止するなど
ユーザー・フレンドリーではない。プリンタは良いが、
インクと紙を売ることでユーザーから恒常的にお金を巻き上げている仕組みだ。
全7色そろえると約7000円であるから、5、6回カートリッジを交換すると新しいプリンタが買える。
ケチなことをいうなとお叱りが聞こえてきそうであるが、やっぱり高いぞエプソン!
おまけに
重大なことが発覚しております。
インジケータが空っぽと云っているカートリッジにはまだ、1/3から1/2弱のインクが残っております。
http://www.urban.ne.jp/home/simtrick/Macintosh/mac23/
をご覧ください。


というわけで、きれいな印刷を実現してくれるエプソンには悪いが、私はエプソンからインクを買うのをやめた。
海軍爺様のINK77を1/20のコストで購入し、リプログラマを某D社から¥4000円で購入し、
インクに関してはコストダウンに成功した。
詰め替え作業の煩わしさはPM−950Cに関しては、ほとんどないに等しい。
PM−800Cのようなカラー全色一体型に比して労力と手の汚れは1/6以下である。
それと、これが重要だが、
ふつう詰め替え後は何回かヘッドのクリーニングをしないと満足な写真印刷ができなかったが、
不思議なことに、PM−950Cの場合、しばらくセットして1、2時間置いておくだけで
クリーニングはいらない。初めての交換で、これに気づき驚いた。
(その後、全然ヘッドクリーニングなしでもいけることが判明。)
過去にNECや800Cの詰め替えで、何度クリーニングしても、
なかなか満足な印刷にならなかったことを思い起こすと、950系からのプリンタ素晴らしい。
そして、強調すべきは色味についてだが、
印刷されたものは、全くメーカー純正に勝るとも劣らない。というか、区別できない。
色が微妙に違うという人もいるが、色は自分でいじるものだ。
デフォルトでも非常にきれいな印刷をクリーニングなしでやってくれる。
これはエプソンのヘッド周りの改良とインク配給メカニズムの優秀さの賜物でもあることで、
ここは、ひとつ大いにエプソンも賞賛ておこう。
あまりの美しい写真印刷が多量にできる目途が付いて、思わずHPにアップしてしまった次第である。
ついでに、光沢度、濃度が大幅にアップというふれこみと55枚で2650円が気に入って
紙の方もFUJIFILMの「画彩」というモノを試してみたら
エプソンのPM写真紙(50枚2980円)とほぼ互角であることが判明。
Luminax技術により高品位の写真印刷ができますよ。
三菱ケミカル製写真用光沢紙も良いそうです。

専用紙に専用インクの時代は終わらなければいけないと思う。
万年筆のインクを補充するようにプリンタのインクを補充して何が悪い。
銀塩時代のように、異なる発色のフィルムを選択できた時代のような状態に戻すべきだ。
インクの銘柄を選ぶ時代がくればもっと正しい形のメーカー間の切磋琢磨が生まれ、
われわれユーザーにとっては、よりきれいな写真が印刷できるようになることにつながるので
あえて、上梓した。
とくにエプソンの人に読んでもらいたい。




みなさん良いお年を!
あしたから、雪国の撮影にでかけます。
そのあと、年末の京都を撮ります。5日間留守にします。
12月28日夕方

2.色バランスの崩れ

急に印刷が緑っぽくなる現象が一時起こっておりました。
はじめはシアンとライトシアンの詰め間違えと思って
純正に戻して見ましたが、異常は解消しませんでした。

ヘッドクリーニングを何回もやり
ノズルチェック印刷を何度やっても、全色連続していて正常でした。
プリンタドライバを何度もインストールし直しましたが、関係ありませんでした。

それが、ある時突然ライトマゼンタが切れて、
印刷に赤みが完全になくなりましたので、詰め替えようと思い
画面のインジケータをみると、表示はまだ半分ぐらいを示しておりました。
このときは何がなにやら判らぬまま、
ライトマゼンタが切れたに違いないのでインクを入れ、
リプログラマで再度リセットしましたら
およそ1ヶ月間悩んだ色崩れが嘘のように直りました。
その後、ふたたび緑かぶりが起こりました。
かつ、シャドー部の黒足らずの結果、写真暗部が妙に赤っぽく不気味な色。
とうとう業を煮やした私は、インクカートリッジを分解してみました。
その結果、どうやら解決の糸口が見つかりました。
まず、この下にあるカートリッジの分解をご覧ください。
いまにして思えば、緑っぽくなるということは
その補色である赤が足りないという意味でした。


ちなみにシアンとライトシアンを入れ替えると
緑っぽくなるのではなく、青みが強く印刷されて、
あきらかに異常です。
このようなことでもなければ絶対にしない実験をしたことになります。
インクを直に紙になすりつけて、どちらがライトシアンかは判断が付きません。
瓶の中のインクは、見た目では、もっとわかりません。
瓶への詰め替えは一つ一つ慎重におこない、ラベルを間違いなく張ることです。
結局、わたしは間違えていなかったようです。
ラベルを元に戻しました。

したがって、年末ジャンボとほほドジはしておりませんでした。
お詫びと共に訂正いたします。
2月8日


3.カートリッジの分解

http://www.urban.ne.jp/home/simtrick/Macintosh/mac23/
にありましたように、私もカートリッジを分解してみました。
インクがどのように詰め替えられるのかを知らないと
要らぬ想像をして変なことに力むことになるからです。

封印が緩んできてインクのにじみがひどくなり捨てようと思ったカートリッジをカッターで切り開いたところです。
溝に沿って、数回カッターで切り込んでいくと、簡単にこのような状態になります。
このカートリッジ、振るとちゃぷちゃぷという音がして、残っていることはわかっていましたが、
開けてびっくり、内部にはこのようにたっぷりとインクが残っていました。

EPSON_ALL.JPG - 77,472BYTES

インクの入るタンクは迷路のような仕切で区切れれていて、大別して3つのタンクに分けられます。
上の写真で、フィルムでカバーされた部分は内部にまだインクがいっぱいつまっていますが、ここがメインタンクです。
ここの中央部に丸い仕切がありますが、その仕切の底に二つの小さな孔が見えますね。
この向こう側には小部屋があって、合成ゴム製の逆流防止弁があります。
(これらについては、以下の写真で明らかになります。)
この弁の向こう側がプリンタの吸引ノズルへ直結する、人間で云えば直腸に相当する構造が付いています。
この丸い部分と逆流防止弁とをあわせてスタンバイ・タンクと名付けます。
メインタンクの外側にフィルムでカバーされていない部分(この写真では上部)にも、インクはつまります。
ここは予備タンクといいましょう。インクが消費されると、真っ先になくなる部分です。
それぞれのタンクは、セットした状態(上下逆)で一番下になるところに小さな連結孔が開いていて
最後までインクに浸っていますから、サイフォンの原理で次のタンクへと吸い上げられていきます。

EPSON_BACK.JPG - 60,656BYTES

上の写真は、プラスチックカバーを剥がした面の裏です。ここにはメーカーのEPSONという文字と
「この青いラベルは、はがさないでください。」
と書いてあります。
はがしちゃうもんね〜。
青いラベルをはがしても、機能的には何の問題もありません。
その下に剥がれにくい薄いフィルムが張ってあって、細かい迷路が見えます。こちらは本当に剥がしてはいけない幕です。
だから、青いラベルは保護膜でしょう。
ご覧のように、吸引ノズルからのインクの導入ルートが透明なフィルムによって見えています。
見て楽しむものではないのに、アリの巣を観察しているみたいで、面白いです。
それと、中央右に、青い文字が斜めに数本印刷された
長方形の空気フィルタらしきものが見えます。
後ろのポリ瓶は、注射器で回収したインクをいれました。8cc以上はゆうにあります。

いつまでもインクを残しておくと手が真っ赤になるので水で洗いました。
かつ、2枚のフィルムをカッターで破きました。
EPSON_WATER.JPG - 51,982BYTES

上部右側がプリンタの吸引ノズルが刺さるインク排出口です。ここにはバネ式のピストン弁が付いていて
プリンタから外したときにインクが流出するのを防ぐ働きをしております。
インクを注入するクチは左の丸いパイプです。
次の写真で判るように上下の丁度真ん中のところにメイン・タンクへの導入孔が開いています。
かつ、この写真で判るようにインク注入口は半分が補助タンクへと開いておりまして
インクは同時にメイン・タンクと補助タンクに入ります。
すぐ横にも補助タンクへの穴が開いているのですが、用途は不明です。
写真右下方の小さな丸いピンク色の部分は、インクフィルタです。

つぎに、ちょっとわかりにくいのですが、下の写真で、上部の黒っぽく写っているのはステンレスの板バネで
カートリッジをセットしたときにガイドに押されて、空気注入弁が開く仕組みとなっております。
こうしておかないと、刺していないときにも空気が入って、インクボタ落ちとなります。おわかりですか?
取り外したときにはいたバネが蓋を押して空気のはいるのを防ぎます。
空気が入らなければインクは落ちないのです。

EPSON_IN.JPG - 54,790BYTES

先ほどのメイン・タンクの中にある丸いスタンバイ・タンクには、
二つの小さな穴の開いた丸いプラスチック板があります。これをカッターで切り取ると
このようなものが出てきます。これは柔らかい合成ゴムの逆流防止弁です。
この弁の向こう側がプリンタ吸入ノズルの刺さるインク排出シリンダがあります。、
向こう側に吸われたときだけ、弁が凹み、こちらのインクが移動します。
切り取ってしまったけれども、ここには平らな板が押しつけられていたことをお忘れなく。
したがって、カートリッジのインク排出口からは絶対にインクを注入できないのです。
向こうからインクを入れようとすると、この合成ゴムのドームがこちら側にあったラスチックの壁に押しつけられて
孔が高い圧力でふさがります。うまいことを考えたものです。
この逆流防止弁はなくてもプリンタへのインク供給は可能です。
ただ、ここの弾力により発生する負圧がインクの過剰供給を防ぐ意味はあります。

EPSON_BULB.JPG - 56,469BYTES

下の写真は、スタンバイタンクへ水を入れようとしているところです。
水を入れた注射器の先は丁度このピストン弁のなかにすっぽり入り密着しますが、
正常な状態では今見えている合成ゴムの弁の上に蓋がしてあって、
注射器のピストンは押してもちょっと入って直ぐ止まります。
この写真のように蓋を切り取ってしまった状態では逆流防止弁は働かず、下の写真のように水がいくらでも入っていきます。
赤く見えるのは水によって残っていたインクが押し出された結果です。
分解していないカートリッジでこれをやると、注射器は押すことはできませんが引くことは容易です。

EPSON_PISTON.JPG - 63,501BYTES

このようにタンク内は一見複雑に見えますが、これはインクを効率よく吸い出すためのサイフォン構造でして、
インクと入れ替わりに入る空気は上下反対の上のルートで統制されて吸入されるようになっています。
ところで補助タンクとメインタンクとは設置した状態では一番下でつながっておりますが、
メインタンクとスタンバイタンクとは逆流防止弁で水平につながっております。
この部分の連結はもはや重力では分離せず、吸引の負圧でインクが移動します。
インクはこの構造により、まず補助タンクが空となり、次にメインタンクが吸い出され
最後に中心部の丸い部分の向こう側のスタンバイタンク内のインクが吸われて空になります。
ただし、ICチップのせいで、全部使われることなく、交換されるのが常です。


さて、このような構造をしておりますから、インクを詰めるときはここでの写真のように
注入口を上にして、メインタンクを下に、補助タンクを上にするのが正しいことが判ります。
空になったカートリッジのエアを抜きながらインクを注入する方法も正しいことが判ります。
注入中に少し振ったり、たたいたりすると、引っかかった空気の泡が出やすくなることも考えられます。
分解して開けたときに、メインタンク内には気泡がいっぱい見えました。(最初の写真参照)
本来これは迷路の途中にはない方がインクの供給はスムーズになります。

インクが吸い出されると、かわりに空気が入らなければ成りません。この空気導入は非常に込み入っています。
下も写真は、先に述べた板バネで開く空気取り入れ口のゲートです。

E_MASENTA_AIR.JPG

板バネを持ち上げて折り曲げてしまい、その下に押しつけられていたキノコ型の弁を抜き出して見せたものです。
お分かりになるでしょうか。キノコ弁は空気の通り道の上にひっくり返して置いてあります。
そのキノコの直ぐ左に開いている小さな四角い孔から補助タンクへ直接エアを送り込みます。
補助タンクが空となった時からインク注入口を通して空気がメインタンクへ入っていく仕組みとなっております。
原理的には、このときまでメインタンクやスタンバイ・タンクに空気があってはいけません。
さて、板バネは分解しないカートリッジを外から見ても見えませんが、
薄いフィルムカバー1枚が覆っているだけですからどこにあるかは最初の写真や3枚目で判りますね。
さて、この空気取り入れ方にはエプソン独自の妙技を見ることができます。

その空気取り入れの妙技をご覧ください。下の写真の全体に妙な模様が表面を走っておりますが
私の観察結果では、実際に空気が入っていくルートは右半分の櫛形迷路です。
まず、下の中央右寄りに開いた穴から入り、一回右にヘアピンカーブをしてからまっすぐ上に行き
5
回ヘアピンカーブを曲がってからまた下に行き、この長方形の青い文字が4本斜めに印刷された
フィルターに入ります。フィルターをはがすと丸い小さな穴がこの下に開いておりまして
いったんこの写真では右上にある構造へ導かれてから、板バネの空気ゲートへと導かれます。
そして、プリンタヘッドへの差し込みと同時に板バネが後ろから突起により押されて、ゲートは開きます。
このときに、非常に狭い隙間が作る微妙な流入抵抗により、むやみと空気が入るのを制御し、
インクノズルからの吐出量に応じた分だけ空気は入れ替わるのです。

EPSON_URA.JPG - 50,040BYTES

下の写真は丸いキノコ弁が塞いでいた孔に、注射器で水を送り込んだところ
ご覧の通り、上の細い迷路に残留していたインクが出てきたことを示すもので、
あきらかに空気の通る道が連結していることを示すものです。
ちなみに、この部分にインクがあるのは支障ないと思いますが、
キノコ弁のゲートを超えて、フィルタの方までインクが出て行くと、まずいでしょう。
櫛形迷路が液体で埋まると、空気は通らなくなり、インクの吐出量は著しく減るでしょう。
これは色バランスの崩れの原因の一つとなります。
E_MASENTA_WATER.JPG

実際に、自分でこのように分解してみないと、究極的には腑に落ちないでしょう。
ヘッドとタンクの分離は、ヘッドの精度向上にとって必要なハードルでした。
そうして、分離したタンクからのインクの安定供給を図るには、このような凝った迷路が必要だったのです。
エプソン殿、ご苦労様でした。しかし、ICチップによってインクの詰め替えを禁じることは
必要だったのでしょうか。このような凝った構造を造り、チップを付けたことの結果としてカートリッジの値段は上昇し、
かつ、インクは使い切ることはできず、振るとちゃぷちゃぷ鳴るカートリッジを捨てる羽目に相成り申した。

さあ、どうしてくれましょう。
今日のところは、これまで。
2月28日深夜

4. 吐出量の調節

カートリッジの分解をしてみた結果、印刷の色崩れの原因が判りました。
インクのせいでもリプログラマのせいでもありません。
強いて云うならば、インクの詰め替えが原因です。
その前に、私はPM−950Cを一度分解掃除しました。
すべてのネジを外して、プラスチック・カバーを上も下も外し、インクで汚れた内部を
綺麗にしたかったんです。それと、プリンタヘッドが見たかった。
下のカバーを外すと、ひっくり返してプリンタヘッドが出現。
現像していないフィルムのような色をした正方形に近い4cm角のヘッドは
大変綺麗でクリーニングする必要はなかったです。
本当はやってはいけないのだけれど、ダメもとでティッシュ・ペーパーで軽く拭きました。
すると、インクがにじみ出てきて目詰まりの気配はぜんぜんなし。
とういうことで、インクが垂れて汚れたスポンジ類やヘッドクリーニング部の周辺を水洗いして
組み直しました。上の電源スイッチ等のボタン基板につながるフラットケーブルは引っ張ると抜けますから
痛めないように、抜き、組み上げるときまた差し込みます。
このようなことをすると、必ず、ネジの1個や2個が余ります。
慎重な人は外すときに、どこから外したかメモしておきますが、
概してそのような人は
分解しません。
また、プリンタ側のカートリッジを差し込む部分にあるインク取り込み口も、
目詰まりしているのかと思い、インク注入用の注射器に
カセットレコーダーに使うゴム・ピンチローラ清浄用のアルコールの薄いやつをいれて、
便器や下水の詰まりを直す要領で、しつこく吸ったり吐いたりしてみました。
このようなことをやっても、緑かぶりや黒足らずは直りませんでした。

さて、この結果をふまえて、カートリッジなどの問題点を考えてみると、
どうやら、原因はカートリッジ本体にありそうです。
カートリッジの分解で学んだ事柄から総合して考えるに
詰め替えは素人には難しい問題です。

1.タンク内にはかなり気泡が入り、これが蓄積していくため、インク切れが起こる。
(ボールペンのかすれ、とぎれと同じです。)
2.エア導入路にインクが逆流してつまるため、インクの吐出量が細くなる。

特に、メインタンクに残った空気の泡は、完全になくならない。
スタンバイタンクに入った気泡は致命的にインク切れを生じる。
この気泡は詰め替えるたびに増加していくようでもある。
同様に空気取り入れのルートにつまったインクの除去も、
一度入ってしまうとなかなか除去できない。
(この様子は青いラベルを剥がしてインクを詰めてみると判ります。)

以上の二つが、インク吐出量に影響する2大障害です。
この二つは、程度問題らしく、
詰め替えたカートリッジでは
大なり小なり起こっています。
詰め替えるたびに、微妙に色バランスが変わります。
某サイトの書き込みに、海軍爺様のインクの色が、純正と微妙に違うなどとありましたが、
見当違いです。インクのせいではありません。
海軍爺様のインクは立派なものです。非常に綺麗な印刷ができます。
ただ、いろんなトラブルが起こり、人々を誤った方向に彷徨わすことになります。

【 私の場合、なぜ起こったか 】

私の場合、ディスプレイの上にプリンタを載せておりましたので、
インクのある程度なくなったカートリッジには空気が入っておりますから、
この状態で温度変化が起こりますと空気が膨張してエア導入路をインクが逆流するのです。
一番最初の写真で、エア導入ゲート部にインクが詰まっていますね。ここにはインクはなくて良いのです。
このことが起こったカートリッジでは、エアの流入抵抗が著しく増大しておりまして、
インクの出が悪くなっております。いくらインクの詰め替えを繰り返しても、解決はしません。
このときにそのカートリッジの補色が写真にかぶります。
私の場合、はじめはライトマゼンタのカートリッジが不調となり、その補色の緑色にかぶりました。
同じようなことが程度問題で、各カートリッジで起こっておるようで、
印刷色は微妙に純正と違う色に、転び始めます。
世の中の「クレーム」もしくは「けち付け」はこのようなメカニズムで生まれてくるのであるという教訓です。
わたしも、一時これはてっきりリプログラマの故障ではないかと思ったものです。
疑心暗鬼は結局無知から生まれるのだという当たり前な結論に落ち着きました。

まだ、どこにもこのような色崩れについての考察がなされていないようでありますが、
トラブルの本拠地は、上の2点だと確信いたします。

【 解決策 】

(1)プッシュ・プル注入法

インクを入れるときに、通常のインク注入口からの注入をした後、
いっぱいになるといくらバキュームしても入らない状態になりますが、
この差し込んだ状態で、もう一つ注射器を吐出口に差し込んで引いてやります。
すると、
スタンバイ・タンクやメインタンクにあった空気は
インクと共に「じゅるじゅる」と強制排出されます。
これと同時に、注入口の方のインクは吸い込まれます。
これを注射器を交代して何回か繰り返します。
このとき、カートリッジの傾きが重要ではないかな?
気泡は重力と反対方向に常にありますから
引き出す方向を注意してやる必要があります。

(2)空気取り入れ口のインク詰まり

インクの注入時に注射器を強く引きます。
するとタンク内は低圧状態となりますから、この状態で
カートリッジの横に付いているレバーをマッチ棒のようなもので押してやると
エア導入弁が開き「しゅっ!」といって
エア導入路にある詰まったインクが補助タンク側に吸い取られ、鼻づまり状態のカートリッジは
回復します。これも何回か繰り返してやるといいでしょう。

 
──決定版──

 
(3)インクフィルターのポイントからの泡抜き

これが1番有効でした。

EPSONブルーラベル側の
インクフィルターのポイントからの吸引注入により、
メインタンクなどに貯まった気泡を排出します。


E_BUBBLE_OUT.JPG - 80,148BYTES

孔はピンで刺した程度の大きさで充分です。
ここからインクを入れることが出来るのは、上の分解写真から解りますね。
通常の方法でインクを注入したとき、
充填が不十分なまま、リプログラマでフル表示にしてしまうと
インジケータがまだあると言っているのに、
インクが切れてタンクの中からインクが完全になくなってしまいます。
こうなったカートリッジはスタンバイタンクやメインタンクに空気が入り、
いくら通常の注入口からの吸引注入をしても
気泡は抜けず、致命的なインク切れ状態となります。
特に、インクフィルターの部分はインクのルートが水平で、複雑なので
いくら回転して通常の方法で吸引しても、気泡はしつこく残ってしまい、
インクの連続性が、このあたりで途切れてしまいます。こうなると
全くインクはプリンタに移動しません。ノズルチェックしてもゼロです。
じつは私はここ2週間、2つのカートリッジがこの症状になり、悩んでいました。
しかし、この方法を思いついて実行したところ、完璧に気泡が抜けて解決しました。

まず、ちょっとしたコツがあるので以下の解説を良く読んでください。

【ちょっとしたコツ】

上の状態で、1度吸引注入をします。
ピストンの空気を抜いてから再び刺し密着を確かめて、
下の写真のように上下反転します。
こうすると、インクフィルタやメインタンクの中の気泡は上に上がり、
ピストンを引けば、この写真の状態で上にくる連結孔から空気がすべて先に抜けます。
ピストンを引いた状態(減圧状態)を維持して、
ふたたび上下反転し注射器内の気泡を上にし、インクを下にしてピストンを弛めますと
抜いた空気の後にインクが入っていきます。

このままの状態で注射器を抜くと、減圧状態ですからエアが再びシュッと入ってしまうので
すこしピストンを押し込んでから、注射器を抜きます。これは大事な処置です。
以上で、抜けにくい気泡が除去できて
メインタンクとスタンバイタンクの中のインクはつながり、インク切れがなくなります。
もちろん、ピンで開けたブルーラベルの孔は、シーリングテープで塞ぎます。

E_BUBBLE_OUT2.JPG - 48,098BYTES
 
 
以上の処置をしたカートリッジをセットすると、さしもの色崩れが、嘘のように解消いたしました。
昨年の暮れから悩んでいた「緑かぶり」や「黒足らず」がなくなりました。
効果あります!色が薄いと思われるカートリッジについて、やってみてください。

問題解決したカートリッジを使った印刷は、
惚れ惚れするほど綺麗です。

3月5日夜
 
5. スケルトン・カートリッジ
 
インク注入過程の研究用にスケルトン・カートリッジを作りました。
これを使って水を注入してみると、注入過程がよくわかります。
どのように傾けて、どのくらいの速さで引くと、どう入るか、すべてが一目瞭然です。
何回も実物で失敗して、手を汚すより遙かにスマートでしょう。
原理を理解して、始めてインク詰め替え作戦の本当の勝利感が得られます。
そして、気泡の完全なる除去はいかに難しいかが、まさしく教訓的に身にしみます。
メーカーはこれらの作業をインクの沸騰しない程度の低真空度気密室で行うようです。
経験的には多少の気泡は大丈夫のようですが。
このように、最初は補助タンクに水が入っていきます。インクが残っていますから自然と色が付いて
適度に見やすいです。ぜひ、これを作成してみましょう。理屈抜きで、きわめて教育的です。
P_START.JPG - 53,790BYTES

【スケルトン・カートリッジ作成法】

見たとおりですが、ちょっとした心理的露払いをいたしましょう。
透明プラスチック板は、東急ハンズなどの本格的素材店に行くのではなく
一枚150円の下敷きです。文房具になっている方が安いのです。なぜだか、理由は割愛。
これを難接着材料用(ポリカーボネイト、ABS樹脂、ポリブチレン・テレフタレート
などのエンジニアリング・プラスチックやステンレス、アルミなど用)の高強度弾力接着剤で、
裏をくりぬいたカートリッジに付けます。
でも、なければ弾力タイプの瞬間接着剤がいいかもね。
くりぬく方法はカッターで気長にやりましょう。
私は、半田ゴテの先にカッターの刃を付けて切れば楽勝と思い、針金でくくりつけてやってみましたが
大したことはありませんでした。まあ、持っている人はやってみましょう。
カッターでの切り込みには、ちょっとしたコツがあります。
1度目を切るときはカッターの刃は楽に動きますが、深くなってくると抵抗が増えて重くなります。
無理をするとケガをしますから、斜めに傾けて溝をV字型に掘っていく要領です。
基本的にはカートリッジの材質はさほど堅いものではありません。
むしろ、粘っこいプラスチックですから、
Vの字切り込みは極端に云えば「チーズを切るようなものです。」
って、ちょっと言い過ぎですが。

これで、少しはやってみる気になられたでしょうか?
 
【教育効果】

下の写真が、ほぼ完璧に充填した状態にたどり着いたものです。


P_PP-INJECTION1.JPG - 76,501BYTES

これにより、プッシュプル注入法がどうやらベストであることが結論されました。
それも、原案の正規の注入孔と排出口からやる方法です。

ここに至るまでには、かなりの試行錯誤があります。

P_TENBIN.JPG - 36,420BYTES

フル・チャージしたカートリッジの重さを量りました。わたしの自作のいい加減な割り箸天秤で47gあります。
この写真、妙に芸術的な理由はプアマンズ・ツインストロボで撮っているからです。
じつは、先のカートリッジにはまだ気泡がインク・クリーナとスタンバイタンクに少し残っていて、
それがインクと入れ替わればもう少し重くなるでしょう。
でも、これくらいが目標値であることが視覚的に確認できた功績は大きいです。
スケルトンはえらい!

人の心もスケルトンになっているといいですよね。
3月25日


【詳細説明】

概略を理解された方に、もうすこし詳細をご説明いたします。
インク排出口の構造は、すこし尾籠なたとえではありますが、肛門に酷似しております。
非常にしまりの良い合成ゴムの気密用弁膜が肛門部、失礼、インク排出口にあって、
プリンタ・ヘッド側のインク供給口(覗くと見える黒い先端がイボイボ状のもの)を
差し込んだ後の気密性を確保しております。
ここの、ゆるみはインク供給の大きな障害となるでしょう。空気が入るとたちまちインクは切れます。
そうならないように、エプソンも気合いを入れてここを作ったようです。
色崩れの現象に出会った当初は、ここも疑ったところですが、このゴムのしまりを見ると
原因は違うところにあることを思い知りました

ちなみに、一番表に張ってある透明な膜は出荷間の長期保存(インクが乾かないように)するためのもので、
穴が大きくなったからと言って、張り直すのは愚です。
その奥の灰色のゴム弁膜は、耐久性がかなりあります。
いわゆる過剰性能です。もっというと、このカートリッジ全体が過剰性能です。
日本的、過剰性能の極みです。
この奥には、ちいさなステンレス・弦巻バネがピストン弁を押していて、
カートリッジがヘッドに装着されて、はじめてインクが落下する仕組みとなっております。
このピストン弁を押し抜くと、その向こうには人間の直腸に相当する通路があって、
そのさきに逆流防止弁があり、さらに小さな孔を通って例の丸い形のスタンバイ・タンクへつながります。
さて、この一連の複雑巧妙な部分が、同時にインク注入を阻む構造であります。
ここの部分の気泡はかなりしつこくて、その除去法はまだ未解決です。

スケルトン・カートリッジで得た教訓を列挙します。

(1) 最初にはオーソドックスな吸引注入法─オルソ法──

略してオルソ法で入れていくしかない。
それ以外のポイントからも入るが、いずれも単発では不完全である。

(2)完全な注入は複合技で
 
オルソ法、プッシュプル、エアクリーナポイント等、複合して入れなければならない。
オルソ法も万能ではなく、まったく空になったカートリッジを詰めることは不可能である。
エア・クリーナ以降のスタンバイタンクなどは、いつまでもインクが行かないことが、
スケルトン・カートリッジではじめて確認できた。
その後、プッシュプルに切り替え、必要ならばエアクリーナ・ポイントから気泡抜きをする。

(3)注射器のピストン吸引は急速にやるのが正しい

こうすると、しつこかった気泡がしんぼうできずに出てくるのが確認できた。
ゆっくり引いたのでは、気泡は出てこない。で、出てきたら直ぐに押し込むと良い。
これは、カートリッジの筺体の強度を維持する意味でも大切なようで、
あまり長い吸引状態で低圧を続けると、プラスチックの合わせ目に裂け目が生じるおそれがあった。
そのあと自然に戻るのを待っている必要は全くなく、力で強制的に押し込むことが有効である。
さらに、この処置は時間の短縮にもなる。


(4)カートリッジの向きが気泡抜きには重要である。

これもスケルトンだからこそ解ることであるが
気泡は結構動きは軽快で、常に重力と反対方向に行こうとして動き回る。
で、タンク内に設けられた連絡孔のところにないと吸い出せない。


(5)スタンバイタンク(直腸側ではなくこちら側)の気泡は、致命的。

これはすでに解っているが、インクを使い切る末期にひどくなることが判明。
インクが出て行き、タンク内に空気が入ってくる。
これが補助タンクにある内は全く問題がないが、空気がメインタンク内に入り始めると
蛇行迷路からエアクリーナへ、さらにスタンバイタンクへ入る動きは円運動であり、
めまぐるしく気泡が巻き込まれて砕紛化される様子が見て取れた。
何故ここが丸いのか、の理由は逆流防止弁の形から来ていると思ったのだが、
どうもそう単純ではないのかも知れない。
インクの流れを蛇行したり、円運動させたりすることで適度な流動抵抗を作っているフシがある。
こうしないと、スポンジ方式でないこの手のタンクでは、不必要にインクが垂れるからである。
適度な抵抗。これは植物の導管や師管に於いて、水や養分の水溶液が一定速度で流動する
あのメカニズムと基本的に同じである。
スポンジ方式は、スポンジの気泡がもつ広大な表面積がもたらす吸着力で、
しずくのたれを止めているのである。
エプソンはこれを画期的な動的メカニズムで乗り越えた。
これは素晴らしい。
しかし、インクが残り少なくなると、このメカニズムは破綻する。
だとすると、エプソンのこの方式では運命的にインクは全部使い切ることは不可能である。
なぜならば、末期のインクには一杯気泡が混じることになり、完全なる印刷を保証できないからだ。
それで、まだ1/3のインクが残っているのに使い終わるようにしているのである。
そのタイミングを決めているのはICチップだ。
つまり、ICチップは詰め替えを防止しているのではなく、
綺麗な印刷だけして終わろうとするエプソンの仕業なのだ。

ここまで考察してきて、私の腹は決まった。
このエプソンのメカニズムを生かし切るのは永久サイクルしかない。
すなわち、インクを恒常的に供給し続けること。業務用印刷機でやっているアレだ。
コンシューマ・タイプのプリンターでは
このカートリッジがやっている動的流動制御方式は過剰性能である。
これは、多量に印刷するプリンターでこそ意味を持つものである。
何日もかかって、ちまちまと数枚印刷しては、しばらくヘッドは乾き、
全体で何枚印刷したか覚えていない人には、安いスポンジ(静的抵抗)方式で良いのだ。
なんで、こんなに凝るかね。
ただ、インクさえ恒常的に供給できれば、この(動的抵抗)方式がインク濃度が一定に保てるために、
結果的に、最高峰の写真画質を誇ることが出来るのだ。
結論を述べると、私はこのプリンタを業務用方式に改良することに決めた。
構想は既にある。
ヒントを云うと、スタンバイタンク以降を利用する。

しかし、ほとほと感じ入るね。このカートリッジは。
見れば見るほど立派な建造物を見る思いだ。ほとんど、惚れてしまった。

3月25日夕方

6.PM−800Cカートリッジ

PM−800Cカートリッジについても研究しましたが、
ずいぶんと簡単なことがわかり、PM−950Cでの苦労が嘘のようです。
写真を縦にするのを忘れるくらいオルソ法(吸引注入法)で簡単に入ります。
E_800I.JPG - 49,272BYTES


私の方法は空気導入孔を塞いでやります。ここが違います。
下の写真のように、アルミテープで密閉し、上のように吸引するとタンク内は減圧され、
スポンジの中の細かい泡が「ジュー」と出てくるので、そのまま押し込むと下になったインクが入っていきます。
また、強制的に押し込むのがスケルトン・カートリッジの研究から有効であることが解っております。
押し込むとインクも速く入り、時間短縮と同時に泡がつぶれてインク中の気泡が消えてくれるのです。
気泡の残ったまま吸引注入しても、また泡が入っていき、ずいぶん時間がかかることでしょう。

すこし、注射器を傾けて、カートリッジも向きを変えると気泡が抜けやすくなるようで、
垂直のままではうまくいきません。これも大切なコツです。

E_800C.JPG - 56,057BYTES

すると上に溜まった空気の分だけ、インクと入れ替わったことが確認できます。
このタンクは5〜6ccインクが入れば良いようです。
しかし、考えてみるとこのカートリッジは実売1個1200円ぐらいでしたよね。
5色入って、その値段ですと、PM−950Cのカートリッジが5色で4500円ぐらいでしたから
インク量の比6/12をかけてもPM−950Cは2倍ちかくランニングコストがかかり
コストパフォーマンスが悪いことが確認できました。やっぱりね。



7.インク詰め替え時の手の汚れ
最後に、ちょっとした雑記.

インクの詰め替えは手がどうしても汚れますが、私の裏技を一つ紹介します。
海軍爺様は親切にも、詰め替えの後の手の汚れを落とすには、頭を洗えと書いておられました。
ようするに、風呂に入れば結構落ちるのですが、詰め替えるたびに風呂に入り、
頭を洗うわけにも行きませんので、考えました。
洗濯用のハイターの原液で洗うと、嬉しくなるほど色は消えます。
その直後に人前に出るときや、急ぐ場合に有効です。
要するに、塩素による脱色です。
ただし、一つ欠点があるので念のために書き添えます。
塩素の匂いがかなり残ります。
だから、見た目に綺麗になる必要があるときにだけやりましょう。
この匂いには私自身かなり閉口しておりますので
つぎは、塩素を中和する化学的手段を開発しなければいけません。
なにが良いですかね。

【画期的効果】
このHPに寄せられたSimizu様(お寿司やさん)より耳寄りな情報です。
「酢で洗うと完全に塩素の匂いが消えます。」
やってみましたが、本当に瞬時にハイターで洗った後のぬるぬるも消え匂いは消滅。
素晴らしい効果です。ありがとうございました。みんなでSimizu様に感謝!
6月3日深夜

さらに、付け加えると、6項のPM−800Cの詰め替えでは、
インクの吐出孔から直接注射器で注入できますので
PM−950系のカートリッジほど手は汚れなかったことを強調しておきましょう。
全くと言って良いほど手を汚さずに詰め替えられます。

PM−950系のカートリッジで、何故手が汚れてしまうかというと
カートリッジの注入孔に両面テープを貼り
アダプターをつけてから注射器を差し込みますが、
この両面テープの接着面がどうしても不十分になるので
インクがそこから漏れることと、そこを剥がし、シールを貼る作業の途中で
どうしてもインクに手が触れるのです。
かといって、うすいビニール手袋をして作業すると、両面テープに手袋が粘着し、
剥がそうとすると手袋はやぶれ、役に立たなくなります。
てなわけで、私は素手で詰め替え作業をするので汚れるわけです。
その他、この詰め替え作業は複雑で手間がかかるために
色々な事故が起こり、インクがこぼれます。
それをテッシュ・ペーパーで拭き取るときにも手が汚れます。
特に、シアン系とブラックなどの汚れは
本来人間の手にない色ですので目立ちます。
如何ともしがたいことです。
そんなこんなで、連続注入法式を検討しております。

ひとつだけ良さそうなアイデアがあります。
あらかじめ手にワックス系の油をコーティングしておく方法です。
爪には蝋(ろう)を詰め込んでおくといいでしょう。
あるいは、ニベアを塗っておくのが良いかな。
そうすれば、インクの汚れは皮膚に直接つきませんので
あとは油等を石けんで落とせばよいかな、と思っております。
ただし、まだ試しておりませんのでアイデアだけです。
そのうちに結果を報告します。
追記
この記事を読まれた方から
「グローブ使っての手袋の破れについては、
テープの粘着強さがさほど出なくて良いなら、傷用のバンソウコウの粘着力なら
破れませんよ。油手に塗っての作業で差し支えないなら、グローブの上からワセリン
つけて作業するのが良いと思います。HCでよく売っているビニールグローブがよいでしょう。」
というアドバイスを戴きました。
本当に感謝いたします。
 
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