野良猫用のなぽちゃん式自動給仕器Ver2にはその後、いろいろな猫が空腹を癒やしに来ていました。
 
 先の2匹の子猫の前にも、たくさん野良猫は私の部屋の窓の外におかれた餌台にきて、日夜を問わず餌があれば食べて、去っていきます。ある日などは狸がきました。

 ある、秋の寒い夜のこと、1階にの私の部屋の窓の外においた餌台から、ばりばり餌をかみ砕く音がします。今まで聴いたことがない激しい音で、驚いてそっと、カーテンを開けてみましたら、なんと、猫ではなく体の大きい狸が猫の餌を食べているではありませんか! 部屋には明るい電気がついていますから、カーテンを開けると気がつくはずですが、チラッとこちらを見ただけで逃げもせず、無心にばりばり餌を食べています。猫とはアゴの力が全然違うんですね。猫の餌を全部食べ終わると、台から降り、暗闇に消えていきました。
 狸は、私の住む三浦半島の横須賀には結構まだいるようです。空から見れば、三浦半島はほとんど山ですからね。人間が住んでいるところなんて、山裾の襞の間にある、ちょこっとした平坦部だけですからね。大楠山とか武山といった山は高さは低く200メートル少々ですけれど、森とか林などを伝って、山から人里にアクセスする安全なルートがあり、人の寝静まる夜に遠路はるばるやってくるのでしょう。住宅地の周りに必ずある雨水を流すための側溝を伝ってくることもあるようです。
 側溝といえば、実は野良猫にとっても安全な場所らしく、我が家にきている野良猫の1匹は、そこでお産をし、子供を育てておりました。そして、赤ちゃんが外出できるまでおっぱいをあげ続け、そのうちに、側溝から出てきて、今度は、自分で餌をとるように子育てを始めるのです。その側溝から連れ出して、我が家の庭の生け垣の下でひなたぼっこをさせている姿を見かけるようになり、やがて、餌台にも上れるようになりました。その餌台に、狸が現れたのです。さあ、たいへん、猫は追われてしまうのか。でも、狸は2回ほど来たきり、その後は来なくなりました。まあ、私が寝ている間に何回かは来たかもしれませんが、餌がすっかりなくなるほどはなかったので、冬眠前の緊急的な食事だったのでしょう。
ある日の出来事
狸出現!
この狸、背中やおしりの毛が抜けて栄養状態悪いですね。可哀想に。
この写真は私の家の駐車場の前です。全くの住宅地です。しかも、真っ昼間。

  車の下に、猫の餌皿からがつがつ食べた後、2回目なので安心したのか、ゆっくりとどこかへ立ち去る場面です。あまり人を怖れていません。横顔は犬科の特徴がはっきり見て取れます。顔だけ見ると犬ですが、手足には頑丈そうな爪が生えていて、犬とは迫力が違います。やはり、野生動物の雰囲気を漂わせていて、怖れてはいないけれどリラックスもしていません。この辺が、動物園で見る狸と全く違います。一種独特です。