No.4 テレキャスター(1994年購入)
このギターはいくつか改造されております。
まず、ネックが細く薄く削ってあります。ノーキー・エドワーズがモズレーのところに行き、ネックを削ってくれと頼み、そのときにその場にあったモズライトの原型のギターを手に取り、弾いて見たら凄く気に入って、そのときにレコーディングに入っていた”サーフィン”というアルバムに使いたいので貸してくれないかといったことから、他のメンバーにも紹介し、ベンチャーズモデルが造られたという伝説があります。
そのときのモズライトの何が気に入ったかは本人の言葉にないので想像するしかないのですが、モズライトのプロトタイプはモズレーが奥さんの小さな手でも弾けるように細いネックだったからではないかと思います。もちろん音が良かったからでしょうが、音の秘密のひとつがネックの細さではないかと、私は思うのです。というのも、テレキャスターのネックを細くするとベンチャーズ・サウンドに近くなるからです。
ノーキーのテレキャスターの音は、最初のソロアルバムの“アゲイン”から使い始めたので、それ以来ライブでも使用していますのでベンチャーズの来日アルバムで聴けますが、こういう音です。ちょっと太いけれどもビコビコした特徴のあるサウンドで、普通のテレキャスターとは違います。その後、すべてのテレキャスターのネックを細くしたかは判りませんが、”アゲイン”の音はそうです。
あと、モズレータイプのトレモロアームがデザインの都合とアーミングの一の関係で寸法を短く切って取り付けてあります。ただ、ブリッジとの距離が短いので、ブリッジ外奏法がやりにくいのが反省点ですが、アーミング自体は問題ありません。このローラー・ブリッジもベンチャーズ・サウンドを特徴付けていると思っています。
他の改造点はたいしたことは無いのですが、コントロールパネルを上下逆に取り付けてあります。これはボリュームやトーン・コントロールの方がマイク・セレクターより使用頻度が高いとおもったからです。 あと、デフォルトの塗装を剥がし、透明ニスに塗り替えてあります。そして、ご覧の通り、ピックガードも剥がしてありますが、これはマイクの高さ調節のために剥がしたら、こちらの方が音響的にも良く、見栄えも気に入ったからです。
このギターは演奏サンプルでも判りますが、非常に高音が出ますが、低音もバランス良くたっぷり出ます。中音部が相対的に少なくて、潤いに描けますが、お聴きのようにスプートニクス・サウンドにはどんぴしゃマッチしました。もちろんプリアンプで音はかなりスプートニクス用に弄り加工してあります、特に高音部を。